少女漫画の目の描き方│情感たっぷりのキラキラでかわいい瞳を描こう
この記事はイラスト・マンガ教室egacoの講師(イラストレーター・マンガ家)が商業制作などで磨いた知識や技術をもとに作成しています。より自分の描きたいものに合わせた内容を知りたい方は、egacoでの個別指導レッスンの受講をおすすめします。
目次
少年漫画などと比べると瞳の中がとても複雑だったり、目自体が大きくなっていたりと独特の表現がされています。
描き方も人それぞれで、どう描いたら良いのか迷いますよね。
少女漫画の目を描く上で大切なことは、いかに魅力的に見せるかです。
読者に好感を持ってもらえて、かつ感情が分かりやすく伝わる目が描けたら目を惹く絵になるでしょう。
少女漫画の基本的な目の描き方から、魅力的に見せる工夫の仕方を解説していきます。
少女漫画の目の特徴・時代別の表現方法を紹介
少女漫画の目の特徴とは
少女漫画の目は、大きくてキラキラしているのが特徴的です。
目が大きい理由としては、「かわいい」からだと言われています。
どんな漫画でも主人公は性格や見た目が、読者にとって魅力的に見えなければいけません。
一般的に、額が広く、顔のパーツが下に集まる赤ちゃん顔の比率(ベビーシェマ)や、目のぱっちりした顔がかわいいと思われているため少女漫画では目が大きくなったという説があります。
さらに、瞳の描きこみやハイライトでキラキラして見せるのは、「感情を分かりやすくするため」と言われています。
少女漫画は恋愛をメインに描かれるので、感情がストーリーを動かします。
目で訴えるシーンが多いので、目を魅せる描き方はとても重要です。
少女漫画の目を時代別に見てみよう
少女漫画の目、と言ってもたくさん種類があり、時代の流行にも大きく左右されます。
- 戦後(リボンの騎士、龍神沼など)
男性作家が少女漫画を描くことが多く、現実世界とはかけ離れた夢や憧れを描いています。
目は大きく丸く、黒目にキラキラのハイライトが複数入っていてまつ毛は細長いです。 - 1970年代(ベルサイユのばら、ポーの一族など)
女性作家が増え、海外への憧れの高まりから話の舞台もほとんどが海外になったためキャラクターも西洋風です。
より華やかに下まつ毛も描かれるようになりました。 - 1980年代(ときめきトゥナイト、有閑倶楽部など)
自由恋愛が主流になったため以前より恋愛が身近になり、学園ものやラブコメ、日常のお話が流行します。
舞台も日本や現代が増え、華美に描かれていたものと比べてまつ毛や瞳のハイライトも少し控えめです。 - 1990年代(ママレード・ボーイ、カードキャプターさくらなど)
女性の社会進出が進み「強いヒロイン」が好まれました。
以前に増して怒りなどの強い感情を訴えかける必要があるため、瞳の描きこみもさらに繊細になりますが、大きなハイライトとしっかりした束感のあるまつ毛で意志の強さも出てきます。 - 2000年~
より等身大の恋愛が好まれるようになり、顔立ちも日本人らしくなっていきます。
近年では、まつ毛の中までカケアミで描き込むようになり、瞳の中もより繊細でふんわりした優しい印象を与えます。
少女漫画の目の描き方手順とコツ
実際に、少女漫画の目を描いてみましょう。まずは基本的な少女漫画の目の描き方をご紹介します。
- 手順1:ベースとなる瞳とまつ毛を描いて目の位置と大きさを決めます。
- 手順2:瞳の真ん中に瞳孔を描いて、ハイライトの位置を決めます。
- 手順3:瞳の真ん中あたりまでを黒ベタ、それ以下に虹彩をイメージして中心に向かって細かい線を描きこみます。
- 手順4:まつ毛と下まつ毛、二重幅を描き足します。
- POINT ほそく細かい線の描き込み描き込みで繊細さを
- ほそく細かい線で描きこむと繊細さが生まれます。 アナログであれば丸ペン、デジタルであればペンサイズを小さくしましょう。 また、瞳の輪郭自体を線ではなく細かい点で繋ぐことでより繊細になります。
少女漫画の瞳の表現力を上げる4つのコツ
ベーシックな描き方ができたら、今度はそれをより繊細に見せる方法を試してみましょう。
カケアミでさらに柔らかさを出そう
カケアミとは、線を重ねて濃淡を表現する技法のひとつです。
細かい線の束を、角度を変えて重ねていくことで濃淡をつけます。
瞳孔やまつ毛部分をカケアミにすると、より柔らかい印象を与えられます。
アナログであれば丸ペンで線を重ね、デジタルであれば様々な種類のカケアミペンを試してみるのが良いでしょう。
トーンでツヤ感を引き出そう
瞳の中にトーンを入れる表現も増えています。
細かい描きこみとトーンを入れ、トーン部分に削りを入れることで黒目がちなかわいい瞳ができます。
また、ベタ範囲を狭くしてグラデーションなどで真っ黒にならない程度に全体を黒目っぽくし、ハイライトを足すことで潤った瞳を演出できます。
- POINT 感情の揺れを表現しよう
- 黒目がちがかわいいと先述しましたが、より印象的なシーンでは左図のように普段より黒部分を減らしてハイライトを増やすことでキャラクターの感情の揺れを表現できます。 右図のように黒目がちでハイライトを小さくしたり、なくしたりすることでショックを受けている印象も与えられます。 同じキャラクターでも、瞳の描きこみはシーンごとに使い分けると良いでしょう。
閉じたときの目も柔らかく見せよう
笑顔や伏し目など、目を閉じたときも黒ベタのみでなくカケアミにしたり、ハイライトを入れたりすることで真っ黒にするよりも柔らかさが出ます。
特別なシーンでは、まぶたやまつ毛の描き込みも意識しましょう。
少女漫画の男の子キャラの目は光を小さめに
目の描き方でも男女差をつけられると良いです。
男の子は、女の子よりかっこよくシャープな目にするため、女の子より大きな目にならないように気をつけましょう。
またハイライトを小さめにするとクールな印象を与えられます。
読者年齢にあわせた少女漫画の目の作画例を紹介
少女漫画の中でも、目の描き方は雑誌によってさらに細分化されます。
読者の対象年齢ごとに異なる目の表現をご紹介します。
小学生向け雑誌は大きい目で印象的に
小学生くらいまでの読者を対象とした雑誌は、特に目が大きく描かれています。
赤ちゃん顔に近い比率で、鼻や口が小さく顔の中でもっとも目に注目がいきます。
瞳の輪郭はしっかりとした線で描かれていて、部分的にホワイトを描き足していることが多いです。
中高生~20歳前後はふんわり儚げに仕上げよう
小学生向けに比べて瞳は真ん丸に近く、描きこみの種類も多岐にわたります。
雑誌に合わせた華やかなものからシンプルで素朴なものまで幅広いですが、瞳やまつ毛はカケアミなどでふんわり描かれることが多いです。
下まつ毛が描かれ、小学生向けより少し大人びて見えます。
女性誌は大人っぽい90年代風に
主人公が大人であることが多く、よりリアルに近い画風が増えます。
中高生向けのような絵柄から、中には90年代頃からずっと現役で描かれている漫画もあるため、華やかながらも大人っぽさがあり、目には意志の強さが見られます。
瞳のハイライトは控えめに描かれ、大人っぽく見せるために顔の比率や目の大きさもリアルに近いです。
さらに人目を惹く少女漫画キャラを描くには
かわいくてキラキラな少女漫画の目は描けたでしょうか。さまざまな種類や描き方をご紹介しましたが、描き方に正解も不正解もありません。
自分の絵柄や作風に合った描き方を模索することが大切ですが、一人でイメージ通りのものを仕上げることはとても大変ですよね。
少女漫画の目を描いた経験がない方は、私たちのスクール「イラスト・マンガ教室egaco」で学びながら練習もして頂けます。
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