イラストレーターとグラフィックデザイナーの違いとは?
イラストレーターとグラフィックデザイナーは、似通っている部分があるので混同されがち。
一番の違いは商業的に絵を描くことが中心なのか、あらゆる媒体のデザインを行うことが中心なのか、といった仕事内容の違いが挙げられます。
イラストレーターは商業用のイラストなどを現在主流のデジタル制作だけでなく、紙にアナログで描き出すこともあります。
逆にグラフィックデザイナーはコンピュータを中心としていて、あらゆる媒体のデザインからレイアウト、入稿まで手掛けるケースが多いです。
しかし、近年はデジタルでの制作が主流になってきたのもあり、イラストレーターとグラフィックデザイナーの境目が曖昧となっており、仕事において重複する部分がでるのも珍しくありません。
それもあってか、経済的な理由でイラストレーターがグラフィックデザイナー仕事を引き受けたり、またその逆もよくあります。ここではそれぞれの職業の将来性も含めて、記載しました。イラストレーターやグラフィックデザイナーなど、なりたい職業を考えている方に参考になるはずです。
イラストレーターとグラフィックデザイナーの違いとは?
まずはイラストレーターとグラフィックデザイナー、それぞれの仕事を説明します。
イラストレーターの仕事とは?
イラストレーターは、商業用のイラストを描くことが主な仕事です。出版物の表紙や本の挿絵、ポスター、パッケージ、広告、絵本など活躍の場はさまざまです。絵本の場合、文章とイラストの両方を担当する人のことは絵本作家と呼ぶこともありますが、分担して行う場合は絵を担当する人をイラストレーターと呼びます。
制作物もさまざまなら、仕事を依頼するクライアントもさまざまで、イラストを描く能力やセンス以外にも幅広い知識や経験が問われます。たとえば、科学的な企業からの依頼の場合には、産業機械などを描くこともありますし、緻密なコンピューターの内部を描くこともあり、描くものの構造など理解が必要です。一方で、料理や動物などまったく異なるイラストを要請される場合もあるため、対応力も大事です。
また、手法も水彩やパステル、エアブラシ、コンピューターグラフィックなど多岐にわたります。多くの仕事依頼が殺到するような特徴のあるイラストレーターになれば、一つの手法だけで仕事が回る可能性もありますが、多くの場合いくつかの手法を身につけ、その中から得意分野を見つけていく必要があるでしょう。
どんな場合でもクライアントが要求している希望を具現化し、オリジナリティを大切にしつつ、そのコンセプトやメディアにあうイラストを描く能力が求められます。
グラフィックデザイナーの仕事とは?
グラフィックデザイナーの仕事は、まずクライアントの要望を聞くところから始まります。広告などの場合は、代理店やメーカーなどと打ち合わせを行い、その商品の何を打ち出したいのかなどコンセプトやテーマなどを確認します。
これがぶれてしまうと広告として成り立ちませんので、重要なポイントです。次にそのページや広告に入れるための素材集めを行います。使用する写真やイラストなどが素材になりますが、これから撮影やイラストを作る場合には、随時、カメラマンやイラストレーターなどに依頼することもあります。
素材が集まったら、クライアントからの要望やコンセプトを考慮しながら素材を平面上にレイアウトし、全体のデザインを考えていきます。このとき、文字情報の入れ方や色、形など全体のバランスを見ながら、完成した形をイメージすることが大切です。
ここまで完成したら一旦、すべてのデザインを盛り込んだ校正刷りを行い、クライアントにチェックを依頼。修正点などがあった場合には要請通り、修正を行います。最終的にクライアントからOKが出たら、印刷所に入稿するためのデータを作成して終了です。
このように、グラフィックデザイナーにはデザインスキルのほかにクライアントからの要請に対して、それを具現化し情報をしっかり伝えていく能力が必要になります。
イラストレーターとグラフィックデザイナー、それぞれの将来性とは?
イラストレーターの将来性について
イラストレーターはイラストを描くプロですが、フリーランスでの仕事として考えた場合、雑誌などの挿絵や小さなカットだけの仕事では大きな収入はあまり見込めません。ある程度、名前が知れ渡り人気がある人の場合は別ですが、イラストだけの仕事で生計を立てるのは並大抵のことではないのも現実です。
こうした場合は、まずデザイン事務所や制作会社などにイラストレーターとして就職し、経験を積むことで仕事の幅を広げていくこともできます。何よりもさまざまなタイプのイラストが描けたり、手法を数種類使いこなすことができるようになることが収入アップの近道です。
また最近は、インターネット上で仕事を依頼できるサービスが人気です。
- ココナラ
- クラウドワークス
- ランサーズ
こういったWEBサービス上で、仕事を受注すれば、不安定になりがちなフリーランスでも、より安定して稼げます。また最近ではスマホゲームが人気だったり、企業でもパンフレットやWEBにイラストを使うのも一般的だったりするため、全体でみるとイラストレーターの活躍の場は広がっているといえます。
グラフィックデザイナーの将来性とは
グラフィックデザイナーの場合も、デザイン事務所や広告代理店勤務からキャリアを始める人が多いのが特徴です。いろいろなメディアやコンセプトの仕事を経験できるので、センスや技術を磨くには絶好の場所です。
そこである程度、人脈や仕事の幅を広げてフリーランスとして活躍する道もあります。フリーランスになった場合は、個人で仕事を請け負うほか、フリーランスの仲間を集めてデザイン事務所を作るという人もいます。
営業活動や人脈づくりなど大変な面もありますが、出版物の企画からすべてを考えたり、アートディレクターとして活躍する道もあり、将来性が高い職業です。
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