鳥のイラスト描き方を解説!上手に鳥の顔・体を描くコツとは

この記事はイラスト・マンガ教室egacoの講師(イラストレーター・マンガ家)が商業制作などで磨いた知識や技術をもとに作成しています。より自分の描きたいものに合わせた内容を知りたい方は、egacoでの個別指導レッスンの受講をおすすめします。
鳥やその羽根を描こうとチャレンジした際に、
バランスが上手くとれずに自分の思うような形に描けなかったり、構造が分からないせいでそれらしい姿にならず違和感を感じたりすることはありませんか?
鳥を上手に描くコツは「描き方のバランスを理解すること」です!
この記事では鳥を描こうとする際につまずきやすい部分への悩みをまとめて解決できるよう、鳥の構造や種類によってのバランスのとり方の違いなどを解説します。


鳥の顔を上手に描くための基礎知識3つ
鳥の顔を上手に描くためには構造をしっかりと理解した上で、目の付き方や顔の形を意識して描かなくてはなりません。
種類によっても顔の形や翼のシルエットなども微妙に変化しているので注意が必要です!
鳥の種類によって変化する顔や体の構造を理解して、自由に楽しく描けるように学んでいきましょう。
1:人間と比較!鳥の顔のバランス


鳥類は大きく分けると獲物を狩って生活する種類と穀物を食べて生活する種類に分けられます。
それぞれの生活スタイルによって顔の構造やくちばしの形状が大きく変化します。
まずは顔の基本的なバランスを覚えて、鳥の種類の違いを学びましょう。
2:鳥のくちばしは主食で変わる

鳥のくちばしは、食べるものによって構造が変化するため、陸と海で狩りをしている鳥で違いがあります。
魚や肉類を中心に食べる種類は、大きな獲物を捕まえて食べるためにくちばしが鋭く獲物を引きちぎったりしやすい構造になっているものが多いです。

魚などを丸のみするような種類は、お箸やトングのように獲物を挟み込んで離さないようシュッとした構造が多くみられます。

また、フルーツや木の実などを食べる種類は獲物の果肉をついばむために短くとがった作りのものや、クルミのような固いカラなどを割れるように丈夫でしっかりした構造のものが多いです。
3:肉食の鳥は目が前に、草食の鳥は目が横につく
目の位置や作りも人間と比べると鳥は大きく変わります。
ワシやフクロウといった狩りをする鳥は、哺乳類の肉食動物と一緒で正面向きに目がついており、獲物との距離感がよりしっかり掴めるようにできています。
逆にハトや水鳥といった種類は、視野を広く保つために目が顔の横についており、正面向きよりももっと広い範囲でモノを見れます。
ハトなどの目の構造は特殊で、目をキョロキョロと動かすことが出来ない分、首を動かして角度を変えて物を見ている状態です。
鳥の体の描き方コツを種類ごとに解説
鳥も人間と同じように骨格があり動きによって変化しています。
ハトやインコなど小型の鳥、猛禽類などの骨格の違いを理解して体型を描き分けるためのアタリに気を付けましょう!
種類ごとの体のアタリを理解しよう

鳥類(肉食)のアタリの特徴・コツ
ワシやフクロウなど狩りをする鳥たちです。
体格がしっかりとしているので少し楕円形を意識したアタリを多く使いましょう。
頭、身体、しっぽ、つばさの形をつくる際に足が胴体の前の部分に付きすぎないように注意します。
頭は大きく描きすぎるとバランスが崩れるので、長めの楕円を意識して横幅にも気を付けましょう。

鳥類(魚食)のアタリの特徴・コツ
ペンギンや鵜(う)など水辺に住む鳥たちです。
獲物を捕まえやすいように首の長い種類が多いです。
首はまっすぐ伸びるのではなくS字のラインになっており
全体的に足をシュッとさせ、やや細身を意識すると良いでしょう。

ハト科のアタリの特徴・コツ
顔は小さく丸みを意識して描きましょう。
鳩胸(はとむね)という言葉があるとおり、首から下の身体が丸くふくよかなラインになっています。
尾っぽも短く全体的にむくっとしたシルエットです。
インコのアタリの特徴・コツ
木に留まって生活しており、頭と体のシルエットがシュッと繋がったような均一感があります。
足もあまり大きく描きすぎないようにしましょう!
鳥の足の形の違いを知ろう
鳥の足の形もどのような場所で生活をしているかに大きく影響され、変化があります。

鳥類(肉食)の足の特徴
木の上や崖の上など、高い位置から獲物を狙いやすいように足の筋肉がしっかりしています。
また空から獲物を狙う際に風を切る音がしないように、足にも羽が生えており防音機能を担っています。
爪の数は前3本、後1本の場合が多く非常に爪が鋭く獲物をつかんで離さない構造となっています。
フクロウの足の特徴
他の肉食の鳥類に比べて、フクロウはさらに特殊な進化をしています。
とくにシロフクロウなどは雪の降る寒い地域に住んでいるため指先まで羽根が生えています。
指のつきかたも他の種類とは違い、爪の数が前2本、後2本と前後で同じ数の指になっています。
鳥類(魚食)の足の特徴
魚を捕食する鳥は基本的に水辺にいることが多いので、指の間に水かきが付いています。
指の数が前3本、後1本というシンプルなものが多いです。
獲物の捕り方によって足の長さに違いがあり、シュッとしたスタイルの良い種類や丸く可愛らしい種類まで幅広いです。

ハト科などの足の特徴
地面を歩き回るタイプの足は、恐竜のような雰囲気があります。
膝やすね部分にはごつごつとした質感の皮膚があり、長い爪は走り回るときにスパイクのような役目を果たします。
大型になるほど爪も分厚く攻撃の手段のひとつです。
インコ(オウム)の足の特徴
木の枝などにとまりやすいように指の関節が曲がりやすくなっています。
ハトのような走り回る種類より足が細く、飛びやすくするために軽量化されています。
翼を描けるようになるには、羽の種類を知ろう
鳥を描くのに鳥の象徴となる翼の描き方はとっても重要です!
鳥を描く以外にも神話や民話に登場する天使や、ファンタジーなキャラクターを描く際にも魅力的なモチーフですね。
種類によって翼の構造も変化するので、違いを理解しながら描き分けできるようにしましょう!
風切り羽

翼の後部側に並んでいる長い羽毛の名称です。
空高く飛べる種類の風切り羽は羽軸が中央ではなく外側にかたよっています。
羽毛の中では一番長く、羽ばたいたときに上昇力や推進力(上にあがったり前におし進むこと)を与えます。
普通の鳥には9〜11枚ほどの風切り羽がついていますが、ハチドリは6枚、アホウドリは40枚と種類によって大きく異なっているのが特徴です。
大雨覆羽(おおあまおおい)

翼の前面を数列に並んで覆っている羽毛で雨覆い(あまおおい)とも言います。
風切り羽の基部をおおって前の方からやってくる空気の流れを滑らかにします。
後の列のものは大きく大雨覆いと呼ぶことで区別しています。
部位によっては他にも呼ばれ方があります。
小雨覆(しょうあまおおい)

爬虫類のウロコのような役目をしている羽で、主に体温の保持に役立ちます。
その他にも空を飛ぶ際に機能的な流線形の身体を整える役目をになったり、人間がスピードで勝負するときに着用するスピードスーツや水着のような役割を果たしたりします。
基本的にサイズなどは均一に整えて翼の厚みやシルエットに合わせて描き込んでいきます。
全体のサイズ感をバラバラに描きすぎると、形にムラが出てバランスが悪く見えてしまうので気を付けましょう。
綿羽(めんう)

羽軸がほとんどなく繊維状で柔らかい羽です。
普段見えている羽の下に生えており、保温などの役割を果たしています。
水鳥などに多く生えておりダウンコートなど冬用の衣服に用いられます。
鳥の生き方によって変わる羽の形
猛禽類の羽の特徴

猛禽類の羽は横幅が広く大きな翼が特徴です。
風切り羽根が大きく高く飛ぶことやスピードを出して飛びやすい構造になっています。
尾羽もしっかりとしており、移動する方向を決める舵の役割やブレーキの役割を果たします。
猛禽類(フクロウ)の羽の特徴
猛禽類の中でもフクロウの羽根は羽ばたく音が小さく静かに飛べます。
理由として羽がギザギザとした構造(セレーション)になっており、空気を拡散することによって音が響きづらくなるからです。
また体重に対して翼の面積が大きく、小鳥のように細かく羽を動かさずとも長く飛べるのも特徴の一つとして挙げられます。
ハト科・インコ等の羽の特徴

猛禽類と比べてやや小さく三角形に近いような形で、根本が広く先に向かってだんだん細くなるのが特徴です。
渡り鳥などと違い海を越えるほどの長距離移動はしないため、羽の大きさにあまり差がなく均一性がとれた形になっています。
渡り鳥の羽の特徴
風切り羽が長く、シュッとした細めの形をした形状になっている種類が多くシャープなシルエットをしています。
鳥の様々なポーズを描くコツ
鳥に動きを付けて描く場合、人間と同じように正中線を意識した状態で体の左右バランスをとりつつ、首のラインの取り方に気を付けると良いでしょう。
足元は足の付いている位置を前後にしすぎないように注意しつつ描きましょう。
翼は羽ばたきを表現する際、人の手のような形を意識してカーブラインを強調した描き方をすると違和感を減らせます。
鳥は練習で簡単に描ける!
鳥は種類によってくちばしや羽の特徴が異なるため、構造を理解して描けばイメージ通りに描けます。
鳥や羽の描き方は個人でも練習できますが、経験のない方はイラスト・マンガ教室egacoでの受講もぜひご検討ください
初めて絵を描く方でも学んで練習すれば、鳥の描き方はしっかり上達できます。
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