パーカーの基本の描き方を徹底解説!パーカーらしくシワ・シルエットが描けないを解決

この記事はイラスト・マンガ教室egacoの講師(イラストレーター・マンガ家)が商業制作などで磨いた知識や技術をもとに作成しています。より自分の描きたいものに合わせた内容を知りたい方は、egacoでの個別指導レッスンの受講をおすすめします。
目次
フードもポケットも描いたのに、イメージするパーカーとは何かが違う…
パーカーらしさが出ないのはなぜだろう……
そう悩んだことはありませんか?
パーカーに説得力を持たせるには「シルエット」と「シワ」を意識することが大切です。
服は種類によって特徴が変わります。パーカーならではのシルエットやシワの特徴を学ぶことで、イメージに合ったパーカーを描けるようになります。


パーカー作画上達にはシルエット・シワの学習が重要

描いたパーカーがなんとなくイメージと違うときは、シルエットとシワをうまく表現できていないのかもしれません。
生地の厚み、素材やサイズによってシルエットとシワが異なることを意識して描いてみましょう。
この記事で紹介するパーカーの基本的なしわやシルエットは、他の服にも応用できるためまずはしっかりと基本形を覚えましょう!
まずは布の厚みを決めよう

描きたいパーカーは厚手なのか薄手なのかを考えてみましょう。
厚みのあるスウェット生地などはシワの間隔が広く、数が少なくなります。
逆に薄く柔らかい生地の夏用パーカーなどは布が重なってもシワ同士の間隔が狭く、数が多くなります。
大きなシワができている部分=厚く硬めの布が折り重なっている部分なので、シワが立体的になりやすくアウトラインもボコボコと波打つことが多いです。
反対に薄く柔らかめの布だとアウトラインの凹凸も小さめです。
これはパーカーだけでなく色々な服でも同じなので覚えておきましょう。
生地の厚みとパーカーの大きさによるシルエットとシワの違い


シルエットとシワは生地の厚みだけでなくサイズによっても変化します。
全て覚えるのは大変なので迷ったらぜひ上の画像を参考にして描いてみてください!
直線と曲線のシワを使い分けよう!

ポーズがついている場合は、肩や肘などの布が引っ張られてできた直線的なシワと、たるんでできた曲線的なシワの差をつけることでよりパーカーらしさを表現できます。
シルエットも同じで曲線と直線の使い分けをすることが重要です。
シワは突っ張った部分から放射状に伸びることが多いので、まずはどこが突っ張っているのかを考えてからシワを描くとスムーズに進められます。
どう描いたらよいか迷ったときは鏡の前で描きたいイラストと同じポーズを取ってシワの流れを観察してみましょう。
下の画像では胴体や袖によくできるシワ・シルエットのパターンをいくつかピックアップしています。
パターンをある程度覚えておくと楽に描けるようになるので何度も描いて少しずつ覚えていきましょう!

ポケットに手を入れたり、腕を上げたときにできる引っ張られジワは直線的に描きましょう。大胆にいれることがポイントです!
腕を曲げた時は肘の内側を起点に放射状にシワができることが多いです。

またパーカー特有のゆったりしたシルエットを描くためには体と服の隙間を意識することが大切です。
体の形に合わせて描いてしまうとゆったり感をうまく表現できないので、サイズ感を考えながら描いてみましょう。
実践!簡単にパーカーを描く方法

5ステップに合わせて、生地の厚みと服の大きさを意識しながら実際に描いてみましょう!
ここではやや厚手のスウェット生地で少しゆとりのあるパーカーを想定して描いていきます。
手順1:パーカーの胴部分を描こう

体のアタリを用意し胴体部分を描きます。
ほとんどのパーカーは胴の体のラインを拾わず、肩からそのまま下にストンと落ちているので四角形をイメージして描きましょう。
手順2:パーカーの腕部分を描こう

次に腕部分を描きましょう。
描き順は色々ありますが、先に袖を描いた後に肩から線を繋げていくと描きやすいです。
ステップ4でシワの形に合わせてアウトラインを修正するので大体でOKです。
肘や肩から重力で引っ張られた布の流れとたるみを意識しましょう。胴に近い部分は太く、先に向かうにしたがって細くするのがポイントです。。
手順3:パーカーのシワを描こう

次にシワを描いていきましょう。
シワは肩や肘などの突っ張っている箇所を起点にでき、、重力でたるむため服の下半分にシワが溜まりやすいです。逆に胸のあたりは少なくなります。
腕を下ろしているポーズだと、肩を起点に肘あたりまで縦ジワが入り、肘先は布がたまって折り重なるようなシワができます。
手順4:シワに合わせてアウトラインを修正する

ステップ1・2で描いたアウトラインの一部をシワに合わせて修正します。
布の厚みと折り重なりを意識して描きましょう。腕の内側はボコボコと波打っていることが多いです。
手順5:細部を描きこんで完成!

最後にフードやポケット、ファスナーなど特徴的な部分を描き、細部を整えて完成です!
ポケットに手を入れている場合は形を変形させて描きましょう。
フードは正面から見ると三角形が並ぶような形になることが多いです。

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応用1:素材や大きさが変わるとシワも変わる!素材ごとの違いを理解しよう

上記ではやや厚手のスウェット生地を想定して解説しましたが、素材が変わればシワの付き方も変わってきます。
また素材だけでなく、服の形やサイズなどによっても変わるため、実物のパーカーや写真をよく観察して描くのが大切です。
素材が柔らかいのか硬いのか、体のラインをどう拾うのかを考えながら描いてみましょう!
マウンテンパーカーの素材の特徴

生地が薄く硬めなため、小さく浅いしわが多く、腕などはパキッと重なった直線的なしわができやすいです。
アウトラインも同様に、直線を組み合わせたような形になることが多いのが特徴です。
薄手のパーカーの特徴

柔らかくシワができやすい素材のため、曲線的な細いシワがたくさん入ります。
大きさに関わらず肩のラインが出やすいです。
オーバーサイズなパーカーの特徴

オーバーサイズは布がたくさん使われており、主に服の下半分に大きなシワができます。
体のラインをほとんど拾わずなで肩に見えるため、テディベアのような丸く曲線的なシルエットになります。
タイトなパーカーの特徴

タイトなパーカーは体のラインをしっかり拾い、腕を中心に横向きの細かいシワが多く入ります。
胴体にはシワが細かく入らないのがタイトなパーカーの特徴です。
応用2:ぐっと上手く見える!かっこいいシワの描き方

かっこいいシワとは、共感してもらえる形のシワ、言い換えれば確かにこんなシワできるよね!と「説得力」があるシワを指します。
例えば肘を曲げた時の折り重なり、肩からの流れるようなシワなど、その服特有のシワを描くことができるとぐっと説得力を持たせられます。
左のイラスト(良い例)の特徴
- シワの線が整理されスッキリしている
- 布がどこに引っ張られているか流れが分かる
- 布の厚みが感じられるようなシワやディティール
右のイラスト(いまいちな例)の特徴
- シワが多く整理されていないためゴチャゴチャに見える
- 短いシワで描かれているため布の流れが分かりづらい
- アウトラインの凹凸が多すぎる
- 布の厚みに統一感がなく素材感が不明瞭
説得力を上げるには、まず脇と肘まわりの特有のシワが入りやすい2か所をよく観察して描いてみましょう。
資料を見ると想像より複雑な形状をしていることに気づけるはずです。

説得力があるイラストにするためには、少しの凹凸や紐の垂れ方など細部にこだわりを持って描くことがとても重要です。
パーカーだけでなくシャツやスーツ、ニットなどもそれぞれ特有の特徴があるため、日々観察することを心がけてクオリティアップを目指しましょう!
さらにパーカーの作画を上達するには
パーカーを描くときは布の厚み、シワ・シルエット、たるみ(体との空間)を意識すれば、描くべきポイントを掴め、クオリティアップだけでなくスピードアップにもつながります。
こちらの記事に加えて様々なものをよく観察し表現の幅を広げていきましょう
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