イラストも上達!デッサンの描き方に悩むあなたへ贈る基本の手順

目次
- イラストが上手い人はデッサンも上手…
- でも自分はデッサンの練習をしてもなんだか上手くいかない…
そんなお悩みを抱えてはいませんか?
実は、道具の使い方やモチーフの描き方が分かれば、描きたいものを正確に観察し、理解し、考えて描くことができるためデッサンの上達と画力の向上に繋がります!
こちらの記事では
- デッサンが上手くいかない原因
- 上達に必要な道具
- 鉛筆の使い方
- アタリの取り方
- モチーフの面、光の描き方
5つを中心に分かりやすく解説していきます!
デッサンをやったことが無い初心者の方向けの記事もありますので、初めてデッサンに挑戦したい!基本の道具を確認したい!という方はご活用ください。
デッサンの描き方の基本!全体の制作手順を把握しよう

デッサンには基本の制作手順があります。
- レイアウト決め
- アタリをとる
- 輪郭の整形
- 大まかな光と影を描く
- 質感や細部の描き込み
- 光の追加
- 完成
手順のどこかが欠けたり、順序が逆になったりするとデッサンが上手くいかない原因に繋がるほか、修正に時間を要するなどの影響が出る場合もあります。
進め方は人それぞれですが、大まかな手順を知っておくことで完成までのモチベーションが上がります。
なぜ上手く描けない?デッサンに納得できない3つの原因
上手なデッサンは「比率」「面」「光源」が正しく描写されています。
よくある間違いを読んで、自分のデッサンをチェックしてみましょう。
原因1:比率(形と大きさの割合)がズレている

比率とは形と大きさの割合です。
よくある間違い
- モチーフの形が普段目にするものと違っている。
- パース(前後の間隔)が間違っている。
- 人工物のバランスが崩れている。
原因2: 面(立体の角度)を捉えられていない

面とは立体を構成する角度の集合体です。
よくある間違い
- 面に応じたタッチや線になっていない。
- 地面が水平な場所に見えない。
原因3:光源(明暗の差)がバラバラになっている

光源とは光の発生する源です。
よくある間違い
- 明暗の差が無く、一番明るい場所と一番暗い場所がわからない
- 絵の中で光源がバラバラになっている。
原因を分析して、イラスト上達の手がかりにしよう!
上手くいかない原因の種類を知ることで、自分にあった解決方法が見つかります。
- 比率を正しく取れていない→比率を測る、パースのガイド線を描く。
- 面を表現できていない→モチーフの形に添って面取りをする。
- 光を表現できていない→ハイライト・稜線・反射光・地面影を意識する。
デッサンの描き方を支える!上達のために揃えたい道具
表現の幅を広げる「鉛筆」の選び方
ステッドラーやハイユニ、ユニの鉛筆が特に使用されています。
鉛筆は2Hから6Bまでを1本ずつ用意できると不足なく濃淡が表現できます。
初心者の場合は鉛筆の硬度を限定しても良いですが、デッサンで十分な表現をするために複数の準備がおすすめです。
横に寝かせて塗るときのために、芯と茶色の木の部分を長めに、なるべくカッターで削りましょう。
デッサンに適した「画用紙・スケッチブック」
スケッチブックはマルマン社のものを、画用紙は、白象紙・ケント紙・M画用紙が特に使用されています。
画用紙はざらざらした表面を使いましょう。
裏面よりも鉛筆が良く引っかかり、消しゴムで消したときの毛羽立ちが抑えられます。
上手に描くための6つの補助道具

プラスチック消しゴム
消す力が強いのでハイライトなどに使いますが、紙へのダメージが強いので注意が必要です。
細く消せるペンタイプのものもおすすめです。
鉛筆ホルダー
鉛筆が短くなって持ちづらい時に長さを伸ばせます。
デッサンは鉛筆の芯の消費が早いので、短くなったら取り付けましょう。
さっぴつ・ガーゼ
鉛筆で塗った所をぼかして幅広い表現ができます。
なじませるときや反射光部分に使用します。

カルトンなどの画板
モチーフを正面から描き、見比べるためには紙を支える板が必要です。
クリップかマスキングテープで紙を固定して使いましょう。クリップ付きの便利な画板もあります。
デッサンスケール・はかり棒
画面内の収まり方や構図を確認するために使う道具です。
複雑・複数のモチーフがある場合にガイドとして使うことで格段に構図が安定します。
実技受験や石膏デッサンなどでもよく使用されます。
フィキサチーフ
画用紙に描いた絵を定着させ、こすれを大幅に軽減できる保護用スプレーです。
作品を残す時は使用を推奨します。
火気の近くや屋内では絶対に使用しないようにしましょう。
デッサン上達の鍵!鉛筆の「3つの役割」と使い方コツ

デッサンにおける鉛筆の役割は、大きく分けて「描く」「塗る」「測る」の3つです。
「描く」ハッチングによる質感表現
ハッチングとは平行線や斜線を引き、線を埋めていくことで陰影や質感を表現する描画技法です。
線の種類や間隔を変えたときの密度の違いによって濃淡が生まれ、見たときの印象や情報伝達の手がかりとして使えます。
中でもクロスハッチングはよく使用する技法です。
線を交差させ、違う密度を作ることで濃淡を表現できます。

線の種類も幅広くあります。
- 木目に沿うような平行直線
- タオルや動物の毛を表現できる短いランダムな曲線
- 人の肌などカーブに沿った平行曲線
など、他にもいろいろな線を使い分けることで表現は無限に広がります。
「塗る」鉛筆を寝かせた暗さの表現

「鉛筆で塗る」とは鉛筆を寝かせて持ち、芯の側面を使って均一なストロークで描画することです。
鉛筆の先端から少し長めに親指を添え、鉛筆の側面を包み込むように持ちましょう。

腕から動かすと鉛筆に平等に力が入るので均一できれいなトーンができます。
大きな面積を塗るときは手首を動かさず、腕から動かしましょう。

鉛筆で塗ったり描いたりした部分を道具、または指でこすってぼかす技法があります。
全体の密度を上げることができ、反射光の部分に使用することが多いです。
ガーゼやティッシュは広い面に、さっぴつや指は細かい部分を馴染ませることに適しています。
さっぴつが無いときは綿棒もおすすめです。
「測る」正確な比率や角度の表現
モチーフの正確な比率や角度を表現するためには、比率を測る必要があります。
測ることは上手く描けることに直結するため、詳しく次の解説を読んで一緒に取り組んでみましょう。
【実践編1】お手本なしでも描ける!比率の測り方・アタリの取り方

アタリを取るときは下記の2つの動作を行います。
- 鉛筆を使って、モチーフの比率を測る
- 指で長方形を作り、モチーフの収まり方を確認する
この2種類の測る動作を正しい順で行うことで、モチーフと同じ比率を描くことができ、上手なデッサンに一歩近づきます。
描きやすさが変わるモチーフの配置

今回は比率の図解・楕円パース・素材感・反射を描画するためにワイン瓶を選択しました。
絵画教室などの静物デッサンでも度々登場し、よく観察して描くことで基礎的な観察力が身につくのでおすすめです。

どのようなモチーフでも、明暗の違いが分かるように左右どちらかから光が当たる場所へ置きましょう。
瓶はラベルのデザインが伝わりやすいように、全体の6、7割とラベルの端が見えるように調節しています。
見ている人が形を補完できるように配置することが大切です。
狂いをなくす!鉛筆を使った正しい比率の測り方
比率を測らずに進めると比率のNG例のようにパースやバランスが崩れてしまいます。
鉛筆の正しい持ち方・測り方からモチーフの正確な形を把握しましょう。
鉛筆で測る時の持ち方

- グーの手で鉛筆の先端が上に来るように持つ
- そのまま鉛筆の側面に親指を添える
- 鉛筆を顔の正面へ構える
腕は地面と平行になるように持つのが基本です。
測り方の手順

手順1:片目を閉じ、鉛筆を持った手をそのまま横に倒します。
瓶の横幅に合うように、鉛筆の先から親指の先の間の長さを調節します。
この横の長さを1として、比率の基準とします。

手順2:親指の位置はそのままで鉛筆を縦に持ち、鉛筆の先を瓶のてっぺんにそろえます。
そのとき、親指の先がモチーフに対してどのあたりに位置するかを覚えておきましょう。
手順3:手を下にずらし、鉛筆の先端を②で覚えた親指の位置に移動させます。
手順4: 2~3を繰り返して横一個分がいくつ取れるかで全体の比率を測ります。
今回選んだ瓶は横:縦、1:3.8が目安の比率です。
ポイント:目安なので何回か繰り返して確認しよう
測った比率を元に「アタリ」を取る手順
測った比率を基にアタリを取っていきましょう。
補助線とアタリを描き、モチーフと比率を見比べると、正確なモチーフの形に近付いて完成度がグッと上がります!

(1)定規で測るか測り棒を使って、用紙に薄い十字の等分線を描き、画用紙にガイドを作ります。
絵を描く位置を調整するために、用紙の真ん中を把握しましょう。

(2)比率を測るときと同様に片目を閉じて、地面に平行になるように腕を伸ばします。
カメラのポーズをとって指でモチーフを囲み、収まりを確認します。
デッサンが完成した時の構図を視認して取り組むことで、想像だけでキャンバスの中に収めるよりも描きやすくなります。

(3)瓶などの左右対称のモチーフは、縦のガイド線を中心として横幅が等しくなるように描きましょう。
このとき、瓶の横幅を1とします。
次に、先ほど測った縦幅の比率を元に、飲み口と接地面の目安を描きます。
横幅と縦幅の比率が合うように調節しましょう。
この時画面の真ん中に収まるように、長い鉛筆や測り棒、定規で上下の余白を同じ長さにすると正確です。
アタリを濃く描くと位置調整が難しいため、ギリギリ見える濃さと弱めの筆圧で描きましょう。
ポイント より正確さを求める場合は測り棒と画用紙と同じ比率のデッサンスケールの使用がおすすめ
補助線の使い方

補助線を引くことで、モチーフにおける細かい大きさの比率を表現できます。
瓶の形のカーブの頂点やラベルの位置等、瓶の目印になるところに引きましょう。

ラベルの大まかなアタリもこの時点で薄く描きます。
文字の部分は瓶の楕円パースに沿ってノートのマス目のようにアタリを取っておくと、後から描き込むときに位置のズレを軽減できます。
楕円パースの考え方

今回の瓶のような筒状のものは、楕円のパースを正しく描画すると上手に見えます。
円のパースは目線より上、下になるほど正円に近づきます

ポイント: 楕円の端が尖っていると円ではなくなってしまうので注意が必要です
【実践編2】立体感を引き出す!面と光源を意識した描き方手順

最初から硬い鉛筆や強い筆圧で描いてしまうと、面の表現に必要な鉛筆のタッチが乗らなくなります。
描き始めの筆圧には特に注意しましょう。
なるべく面に沿って鉛筆を動かすことで形の情報量を増やせます。
瓶などの円柱は縦の面に沿って垂直に鉛筆を寝かせて塗ることが多いです。
「面取り」で複雑なモチーフを単純化する

デッサンにおける面取りとは複雑なモチーフを単純化し、面ごとに明るさを変えて立体を描く技法です。
ゲームで例えるとポリゴン数を減らしたモチーフというイメージです。
ポリゴンごとに明暗を分けて塗ると、面と光の意識が同時に身につきます。
特に緩やかな曲面や複雑な形の場合は、一度直線的に置き換えてモチーフを捉える練習をすることも上達に繋がります。
モチーフ(瓶)の基本の明暗を描き分ける


ハイライトと稜線の方向を意識すると光源が伝わりやすいです。
ここでは描き始めの段階でも稜線とハイライトの位置が分かるように気を付けています。
描き進める途中で、明るいところと暗いところが逆転しないように全体に手を入れましょう。
地面影は大きな面を持ち、光源の方向を左右する最大のモチーフであると考えましょう。
今回のような基本的なデッサンの場合は画用紙に対して平行を意識して手を動かしています。
この時点では全体を2BやB、稜線は2B~4B、反射光と地面影はHやティッシュでぼかす表現を使用しています。

上の写真ぐらい明暗や形がはっきりとしてきてから、少しずつ筆圧を強めていきます。

曲面に沿って色々な方向から鉛筆を動かします。
ポイント 最初から細部をこだわりすぎると平面的になりやすいので注意が必要です。
反射や質感にこだわって細部を描き込む

終盤は鉛筆を立て、細かいタッチで細部を表現すると質感が見る人に伝わりやすくなります。
描き込みでは、反射光部分や地面影を2H、稜線には4B~6Bなどの鉛筆も多用しています。

瓶などのツルツルしたものは周りの環境が反射して映り込みが発生します。
映り込みを描くということも面や光源を表現する要素の一部です。
ポイント 手前で目立つ部分は特にしっかり見て描き込んでみましょう。
離れて確認!最終調整で全体のバランスを整える

全体のバランスを見て実物の印象に近づけていきます。
質感表現を描き込むことで大きな光と影が薄れてきたときは、さらに上から大きく影を乗せます。
ポイント 席を立って離れてモチーフと自分のデッサンを見比べましょう
デッサンが完成したら?さらなる上達に繋がる振り返り方

鉛筆デッサンをそのままの状態にしておくとこすれて薄くなってしまいます。
そのため、写真を取って記録を残し、描画面にフィキサチーフをかけて保管するのがおすすめです。
出来た作品を実際のモチーフと見比べて「比率」「面」「光源」を確認しましょう。
次はどこに気を付けて描くかを考えることも描写力の向上に繋がります。
まとめ:デッサンの描き方をマスターして、憧れの画力を手に入れよう
デッサンについて迷ったり悩んだりする時の参考になったでしょうか。
これらの知識やコツを踏まえて1枚1枚完成させていくことで、以前描いたものと比べた時に画力の向上を実感できると思います。
この記事を見て描いてみたがやっぱり上手くいかない……そんな時はイラスト・マンガ教室egacoでは直接プロの教師から添削やアドバイスをもらいながら、困った時に直接アドバイスをもらうことが出来ます。
デッサンについてお悩みがある方も是非ご利用ください!




















