同人誌の入稿方法の違い|初心者はアナログ入稿?それともデジタル?
これから同人誌制作に挑戦してみたい方は、同人誌の基礎知識としてぜひ参考にしてみてください!
アナログ入稿とデジタル入稿の違いとは?
アナログ入稿とデジタル入稿の大きな違いには「セリフ入れ」があります。
商業誌での写植(セリフの打ち込み、ページに連番をふるなど)は編集者または製版が行うのですが、
同人誌の場合は作者自身が全ての作業をしなければいけません。
たとえ作画を完璧に仕上げても、文字がなければ読者は作品を読めませんので、
写植作業を終えてこそ始めて完成原稿といえます。(印刷所によっては、入稿後有料で入れて貰える場合もあります。)
アナログ入稿の特徴とは
アナログ原稿入稿の場合、セリフ入れをすべてアナログ作業で行います。方法は様々ですが、ペーパーセメントという特殊な接着剤で紙に印刷した台詞を切り取ってペタペタ貼り付けるかラベルシールに直接印刷して使うのが一般的ですね。(中にはペンで直接書き入れる方も!)
あとは完成原稿を台紙に挟んで、仕様書と共に印刷所へ郵送すれば入稿完了です。ただ郵送ではどうしても時間がかかってしまうので、余裕をもって締切の3日前には送付しましょう。
こんな方にオススメ!
- デジタルでの作業環境が整っていない。
- アナログでこだわりたい作画技法がある。
デジタル入稿の特徴とは
デジタル原稿入稿の場合、セリフ入れはすべてデジタル作業で行います。
PhotoshopやCLIP STUDIOのテキストツールを使って地道に打ち込んでいきます。写植が完了したら印刷所の指定テンプレート(トンボ、タチキリ線の書かれた台紙。下書き時点で使用しておけば手間が少なく済みます。)に原稿を合成して完成です。
入稿方法はCD-ROMに完成データを焼き込んで郵送か、メールまたは印刷所の入稿ホームにてアップロードの流れが一般的です。
設定された締切に間に合うよう余裕をもって入稿しましょう。
こんな方にオススメ!
- ギリギリまで作業をしたい…!(データは送るのが一瞬ですので、日付を超える時間ギリギリまで作業はできます)
- セリフ部分の縁取りなどを商業誌と近い雰囲気にしたい。
アナログ・デジタル入稿のメリットとデメリット
アナログ原稿入稿の場合
- アナログならではの味わい深い線のタッチや削りがそのまま印刷に出るため、達成感や満足度の高い仕上がりが得られる。
- 写植、梱包、郵送に時間がかかるため、本来の締切より早めに進めなくてはならない。
- アナログ原稿を受け付けてくださる印刷所さんが少なくなってきている
- 原稿を印刷所さんに直接持ち込みにいかない場合は送料が別途かかる
デジタル原稿入稿の場合
- データ入稿によりデジタルならではの線の美しさが保たれる。自宅から直接入稿が可能なため、締切ギリギリまで作業が出来る。
- 解像度やサイズなどの原稿仕様を誤っていたり、何等かの不具合でデータが破損した場合の修復が困難。デジタルの画面での見え方と印刷した時の絵の雰囲気の落差が激しい場合がある。
- デジタルで見えていた細い線や細かいトーンが印刷された場合に見えなくなったり真っ黒になったりすることがあるので、印刷に適した線の太さやトーンの濃さを事前に調べる必要がある。
- シンプルにデジタルの作業環境を整えるためにお金がかかる。
- スマホやタブレットでもできるが、ソフト自体を買切るわけではなく月額制になるので、継続的にお金がかかる。
初心者にはどちらがオススメ?
家にもともとデジタルの作業環境が整っている方なら、圧倒的にデジタル入稿がおすすめです。
しかし、これからだんだんデジタル環境をそろえていくという段階の方でしたら、最初はアナログ原稿から始めるのもおすすめです。
画材屋さんに行けばほぼすべての画材がそろいますので、アナログの原稿を描く画材をそろえるだけなら全部で1万円以内でそろえることはできるでしょう。
現在でもこだわってアナログ原稿で漫画を描かれている漫画家さんもいらっしゃいます。
手に取れる生の絵というものの存在感は何物にも代えられません。アナログ原稿を制作する画材にかけるお金をすべて貯金してデジタルの作業環境を整える方法もありますが、
それが整うまでの絵の練習はどうしてもアナログで行うことになると思います。
- 教室の雰囲気や講師の人柄を確認できる!
- 個別に受講内容提案をしてもらえる!