
初心者がカラーイラストを描くなら、まずアニメ塗りがおススメとはよく聞くけど、どうやって塗ったらいいのか分からない。
そもそもアニメ塗りがどんな塗り方なのか、いまいちよく分からない…そんな方もいるのではないでしょうか?
この記事ではアニメ塗りの特徴や、アニメ塗りに適したブラシの設定、影色の選び方などを丁寧にお伝えします。
イラスト初心者さんもこの記事を読むことでアニメ塗りがきっとできるようになるはずです!
アニメ塗りとは?アニメ塗りの基本を知ろう

アニメ塗りとは、図の左ように陰影の境界線がはっきりと区切られている塗り方のことです。
アニメーション作品で使用される「セル塗り」に近いため、アニメ塗りと呼ばれるようになりました。
アニメ塗りをするのに必要なもの
デジタルでアニメ塗りをする際に必要なものは以下の3点です。
- デジタルペイントツール
- タブレットやiPadなどの描画機器
- 線画
アクリル絵の具など、アナログ画材でもアニメ塗りはできますが、デジタルで塗るときに比べ、手間が何倍もかかります。
また、見栄えもデジタルに比べ劣るため、アニメ塗りはデジタル作画向きの塗り方であると言えます。
本記事ではペイントツールのCLIP STUDIO PAINTでのアニメ塗りの方法を解説していきます。
ですがアニメ塗りはメディバンペイントやアイビスペイントのような、他のペイントツールでも塗れます。
アニメ塗りがしやすい線画とは?

線画にはアニメ塗りに適しているものと、適さないものがあります。
アニメ塗りに適した線画は、左の図のようなものを指します。
アニメ塗りに適した線画の特徴
- ペンなどを使い濃くハッキリした線で描かれている
- 余分な線が無く、線と線が途切れていない。(※わざと線を途切れさせているところは除く。)
アニメ塗りに向いていない線画の特徴
- 鉛筆や筆などを使用し、線に濃淡がある。
- 余分な線が多く、線と線が途切れがち。

また線が途切れがちだと塗りつぶしツールが使えず、着色に余計な手間がかかるため、イラストとしてのこだわりがなければ、基本的に線は繋げて描くのがいいでしょう。
このポイントを意識して線画を描くと、アニメ塗りの際に塗る手間が減り、また見栄えが良くなります。ぜひ参考にしてみてください。
アニメ塗りの具体的な手順を作例で解説!
手順1:パーツ毎にレイヤーを分けて下地を塗ろう

線画が用意できたらまずはパーツごとにレイヤーを分けて下地の色を塗っていきます。
色の数だけレイヤーの枚数が増えるため、混乱しないためにレイヤーごとに名前を付けておくといいでしょう。
下地は、まず投げなわツールやバケツツールを用いて大きな部分を塗りつぶします。
次に着色しきれなかった細部の隙間をペンツールを使って丁寧に塗っていきます。

- POINT 背景色を設定しよう
-
一番下に新しいレイヤーを作成し、青や赤など目立つ色に設定しておけば塗り残した部分から背景色が透けてみえるのでわかりやすくなります。
- POINT ツールをうまく使ってみよう
-
塗りつぶしツールのサブツール内で「囲って塗る」「塗り残し部分に塗る」を選択し、塗るのもおすすめ
手順2:影を塗って立体感を出そう
下地が塗れたら影を塗っていきます。上手く影を付ければ、イラストのクオリティをグッと上げられます。
レイヤーの機能を活用してはみ出しを防止しよう

影を塗る際は、肌や髪など下地レイヤーごとにクリッピングマスクをかけた影用のレイヤーを作りましょう。
手順としては、以下の通りです。
- 影を付けたい下地レイヤーの上に新規ラスターレイヤーを作成します。
- 「下のレイヤーでクリッピング」のアイコンをクリックします。
- 影レイヤーのサムネイルの左に赤い線が付いたのを確認してください。
また、混乱しないようにレイヤーの名前も変更しておきましょう。
これでにクリッピングマスクをかけた影用のレイヤーが作れました。このレイヤーに影を塗っていきましょう。

下のレイヤーにクリッピングすると、はみ出しを気にせず綺麗に塗れます。クリッピングマスクについてくわしくはこちらもご覧ください。
影色の選び方のコツ

影の色を選ぶ際、下地の色に黒を混ぜただけの色(カラーサークルでいうところの真下の色)で塗ってしまうと全体の色味が濁ってしまい、くすんだ印象のイラストになります。

おススメは、カラーサークルで右斜め下の色を選ぶこと、更には色相環も移動させ、色味を少し変えてあげることです。
そうすることで鮮やかさを保ったまま影を塗れます。

「1影」を入れよう

まずは「1影」を入れていきます。
1影とはベースとなる大きい範囲の影のことです。
影は境界線のラインを引いてからバケツツールなどで塗りつぶしましょう。
ペンはGペンや丸ペンなどはっきりとした線が引けるものを使いましょう。
光源を決め、影になる場所をどんどん塗っていきます。
「2影」を入れよう

より立体感を出すために「2影」と呼ばれるもう一段濃い影を入れます
1影よりも少ない範囲に、ポイントで入れてあげるのがコツです。
また、修正が大変になるため、1影と2影は同じレイヤーで塗らないように注意しましょう。
2影用レイヤーをそれぞれの1影レイヤーの上に作り、こちらもクリッピングマスクを掛けてから塗りましょう。
手順3:ハイライトを入れよう

髪の毛や瞳などにハイライトを追加します
ハイライトも光源を意識して描き込む場所や形を決めましょう。
手順4:色トレスして線の色を変えてみよう

線画にクリッピングマスクを掛けて色を変更してみましょう。
この作業を「色トレス」といいます。

上の図は色トレスのレイヤーのクリッピングを外した状態です。
(主線を分かりやすくするため、色トレスのレイヤーモードを撮影時だけ通常から乗算に変更しています)

- POINT 色トレスのコツ
-
肌の線なら濃い茶色、白い服の線には濃い青色など、パーツごとに 色を変えてあげましょう。この作業を行うことで線画がなじみ、イラストが柔らかい印象になります。
アニメ塗りのイラストが完成!

背景に模様を足して、これでイラストの完成です!
アニメ塗りに関するよくある質問
シャツなど白色の部分にも下地を塗る必要は要りますか?


ただし白色や薄い色など、視認性が悪い色を塗りたい時は、そのままの色で塗ると見づらく塗り残しの原因になってしまいます。
最初に分かりやすい色で塗った後に透明ピクセルのロックをかけ、後から色の変更をするといいでしょう。
ベースとなる色の決め方がわかりません。
明るすぎず、暗すぎない色味を選びましょう。
明るい部分はハイライトを塗りますし、暗い色は影色として別途塗っていきます。
基準になる色を決め、その色を塗ったレイヤーを最下層において、その色をベースに他の色を決めていく方法もあります。
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