影の付け方・塗り方講座!影の種類を知って立体的な絵を描こう
この記事はイラスト・マンガ教室egacoの講師(イラストレーター・マンガ家)が商業制作などで磨いた知識や技術をもとに作成しています。より自分の描きたいものに合わせた内容を知りたい方は、egacoでの個別指導レッスンの受講をおすすめします。
立体感のあるイラストを描きたいのに、いざ自分で色塗りをすると影の付け方が分からなくて困ってしまった、そんな経験はありませんか?
この記事では光源を意識した影の付け方について丁寧にお伝えします。
この記事を読むことできっと立体的な色塗りができるようになるはずです!
影の基本!影の種類を学ぼう
上の図は球体に陰影を付けたものです。
図のように、影と光には種類があります。これらの光と影を把握することで、より立体的に影を付けられるようになります。
まずはこれらの光と影について解説していきます。
ハイライトってなに?
ハイライトとは、物体の中で最も明るい部分を指します。
物体の材質によってハイライトの強さや形が変わります。
布や毛糸などの柔らかく光が反射しにくい材質はハイライトができにくく、逆にガラスや陶器などのツルツルとした反射しやすい材質はハイライトが目立ちます。
ハイライトを塗る際は、物体の材質を想像するといいでしょう。
明暗境界線ってなに?
明暗境界線とは、明るい場所=明部から暗い場所=暗部へと移り変わる境界線のことです。
この境界線を物体の形に沿って引くことで、立体感を出せます。
物体そのものにできる影ってなに?
物体そのものにできる影を「陰(シェード)」と呼びます。
影の色は、物体の明部の色にそのまま黒を足した色で塗るのではなく、例えば黄色の肌にはピンクの影を付けるなど、明部と暗部で少し色味をずらしてあげると鮮やかに塗ることができます。
詳しい影色の選びのコツについてはこちらをご確認ください。
物体から落ちる影ってなに?
物体にさえぎられて、できる影のことを「落ち影」または「影(シャドウ)」と呼びます。
この場合は球体にさえぎられて地面に落ちている影のことです。
上の図のように物体に近いほど影の色は濃く、遠くなるにつれ薄くなります。
反射光ってなに?
光が地面などに反射することによって起こる照り返しの光を反射光といいます。
反射光は地面の色や空の色などの環境色に大きく影響を受けます。
影の付け方手順を実際に塗って解説
影の種類が分かったところで、この知識を用いて実際にイラストに影を塗ってみましょう!
手順1:光源を設定しよう
まず最初に光がどこから当たっているのか(光源)を決めます。
光源によって影の形や付く場所が変化するため、イラストの雰囲気に大きく影響するポイントです。
どういうイラストにしたいか、完成形を想像しながら光源を決めるといいでしょう。
手順2:光源や影の種類を意識しながら塗ってみよう
光源が設定出来たら影を塗っていきましょう。
影は光源とは逆側に付きます。
ただし慣れないうちはパーツによって光源を間違えがちです。
分かりやすいように、別のレイヤーに図のように光源の方向を矢印などで描き入れておくといいでしょう。
影の種類を考えながら色や形を決めよう
影を塗る際は、物体に出来る影(シェード)なのか落ち影(シャドウ)なのかを考えながら塗りましょう。
上の図はイラストに「物体にできる影」を塗った状態です。
絵柄や光源の強さ、物体の形にもよりますが、基本的には「物体に出来る影(シェード)」は、落ち影(シャドウ)と比べるとやや薄めの色で塗るといいでしょう。
また物体に出来る影(シェード)は、物体の形そのものが激しく凹凸している箇所でなければ、基本的には明暗境界線も柔らかくぼかしてあげるのがおすすめです。
上の図はイラストに「落ち影」を塗った状態です。
「落ち影(シャドウ)」は、立体に出来る影(シェード)よりもやや濃い色で塗ると立体感が出やすくなります。
また基本的に、落ち影の影と明部の境界線はあまりぼかさずにシャープに描いて
あげるのがおすすめです。
物体にできる影のレイヤーと落ち影のレイヤーを合わせるとこのようになりました。
説明のために図では別々に表示しましたが、実際に塗る際は物体にできる影と落ち影は、同時進行で塗っていくといいでしょう。
手順3:ハイライトを入れよう
光源側にハイライトを入れましょう。
ハイライトを入れることで先ほど塗った影がより一層立体的に見えます。
人物を描く場合、髪の毛や瞳、または光沢のある衣類や装飾品などがハイライトの目立ちやすい箇所になります。
手順4:反射光を入れよう
最後に光源とは反対側に反射光を入れましょう。
上の図では髪の毛先やスカーフ、セーラー襟の裏面などに特に強く反射光を入れています。
反射光は周りの環境色に影響を受けます。
このイラストは背景を青空にする予定のため、青色で反射光を入れました。
反射光を入れることでイラストに更に立体感や空気感を出せます。
また、この記事では手順3、手順4として順番に説明していますが、ハイライトや反射光は影の塗りと同時並行で塗り進めても構いません。
手順5:イラストの完成!
背景を描いて、これでイラストが完成しました!
影の付け方に関するよくある質問
落ち影の影をぼかす場所がわかりません
- POINT 近い落ち影は境界線をはっきり描き、物体が離れる箇所はぼかす
-
光を遮っている物体から影が落ちている面までの距離が近ければ影の色は濃く、明部と影の境界線はハッキリとでます。 逆に、光を遮る物体から影が落ちる面までの距離が離れると、影の色は薄く、明部と影の境界線はぼやけます。 そのため、物体から近い落ち影は境界線をはっきり描き、物体が離れる箇所はぼかすといいでしょう。
イラスト全体の影の濃さはどうやって決めたらいいですか?
- POINT 光の強さを考えて影の濃さ決める
-
光が強くなればその分影の色も濃くなります。 例えば冬の日差しと夏の日差しでは夏の日差しの方が強いため、夏の炎天下のイラストを描きたい場合は下地の色に比べて影の色を濃くしてコントラストを強くすると良いでしょう。
この記事を読んだことで影の付け方が分かるようになりましたでしょうか?上記の知識を踏まえて是非立体感のある塗りにチャレンジしてみてくださいね。
ただし、自分の付けた影がこれであっているのかは、最初は自分では判断ができず自信が持てないかもしれません。
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