犬の描き方の基本とコツ!犬の顔や体を違和感なく描こう
この記事はイラスト・マンガ教室egacoの講師(イラストレーター・マンガ家)が商業制作などで磨いた知識や技術をもとに作成しています。より自分の描きたいものに合わせた内容を知りたい方は、egacoでの個別指導レッスンの受講をおすすめします。
いろいろなジャンルの作品に登場する「人以外の生き物」は魅力的です。
特に身近な存在の犬が自由に描ければキャラクターの幅が広がって楽しいですね。
犬を上手に描くには「身体のバランスのルールをおぼえる」ことが大切です。
自由に楽しく描けるように、まずは犬のべースの形を学びましょう。
犬の顔を上手に描くには?基礎知識・コツを解説
犬の正面顔の描き方のコツ
犬の正面顔は、人間と同じく中心線を引いて描きましょう。
マズル(口元)の大きさや配置は、犬種によってさまざまですので図解や写真を参考にして下さい。
犬のマズルとは?
マズルとは、人間だと鼻と口にあたるエリアです。
犬のマズルは、人間と比べて前方に向かって伸びています。そのため、鼻筋をまっすぐ描きましょう。
大型犬は特にあごと比べて鼻先が細くなるため、鼻と口先の高さを出しすぎないようにしましょう。
また口元はまっすぐ線をおろすように描くのではなく、あご部分を少し引くと勇ましく見えます。
また犬やオオカミ、猫や狐といった違いにより長さや大きさが変わります。
マズルの形=人間のエラの部分と同じようにキャラクターの見た目や個性に大きく影響します。
たとえばオオカミにも人間と同じように鼻筋があり、正面と横では見え方も変わります。
大型犬やオオカミの場合、鼻筋をスッと長めに描いて鼻先は細めに描きましょう。
同じイヌ科でも、特にシュッとした顔つきのキツネはマズルやあご部分を細く描きます。
また鼻先を大きく膨らませて描くと、大型のネコ科のようになるため注意が必要です。
マズルのアタリの取り方
基本的なサイズは、顔の大きさを意識した丸いアタリの下半分に収まります。
また中央のエリアに全体の2分の1程度の大きさで六角形をイメージしたアタリを描きます。
小さく描きすぎると、犬らしさが弱くなり猫のような顔つきになるので注意しましょう。
犬の横顔の描き方
人間と比べますと、マズルと耳の位置が大きく違います。
犬の耳は、顔の中心ラインよりも奥側に描くように気を付けましょう。
耳が顔の前面に描きすぎると、奥行きのない潰れた顔に見えてしまいます。
犬も人間も、目の横に鼻筋が通っています。
目を輪郭線ギリギリまで寄せてしまうと、目が中央に寄りすぎて違和感が出てしまいます。
犬の目は輪郭線ぴったりに描かずに、少し内側に描くようにしましょう。
子犬と成犬の顔を描き分けるポイントとは
子犬のような可愛い顔つきにしたい場合は、逆にあごと鼻先をまっすぐにおろしましょう。
鼻とあごを同じような高さにすると、幼く小型犬に見えやすいです。
また目やマズルの位置を下げて、人間の赤ちゃんのように頭でっかちになる工夫をしましょう。
人間でいうエラ部分を描きこみすぎないように三角形のようなシルエットで描きます。
犬の身体を上手に描く4つの基本・コツ
1:犬の身体のバランス・構造を理解することが大事
身体のバランスも人間と比べてみましょう。
人間も動物も「頭、首、胴体、足」に分けて区切れますが、配置が少しずつ変わります。
共通点があるパーツをおぼえつつ、サイズやバランスの違いを描き分けましょう。
2:シルエットで犬の身体を描くコツをおぼえよう
イヌ科は長時間かけて獲物を狩るのに特化しており、ウエストラインが太もも部分でキュッとくびれています。
犬はシャケの切り身型の胴体を意識しましょう。
また犬は首がしっかりしているので、縦長の台形型の首を描きます。
太く描くと安定感のあるシルエットに、細く描くとシャープな印象の顔つきに描き分けられます。
犬の足は走りやすいように、足の関節が立った時にまっすぐ生えるように描きましょう。
3:体毛としっぽを描き分ければ説得力UP
イヌ科の耳は体毛が多く厚みがあり、先が丸みを帯びています。
分厚く頑丈そうに描くと犬らしさを強調できます。
犬の体毛は、体の厚みに沿う形でゆるくカーブさせましょう。
毛並みの動きを意識して高いところから下へ下へ流れるように描きます。
長毛種の場合、首下の体毛は下を向いて毛束を描きましょう。
中央の画像のように、口周りの体毛は人間でいう顔のエラ部分にあわせて描きます。
短毛だと関節など目立つ場所に短いタッチを描き加えます。
ふわふわだと毛並みを細かく、ごわごわに描くなら毛並みを大きめにしましょう。
ロングヘアーは体毛表現のギザギザを大きく描き、ショートヘアーの場合は細かく描きこみます。
ただなんとなく描くのではなく「どんな毛並みかな?触り心地はどうかな?」を意識して、より説得力のある毛並みを目指しましょう。
しっぽの形は洋犬、和犬で直線的であったりカーブしたりと違いがあります。
特に日本犬はしっぽが丸まった犬種が多いため、くるんとした形状で描きましょう。
目元のラインにも違いがあり、犬は奥二重のような目が多いです。
オオカミのような大型を描く際は、目じりや目頭のアイラインをしっかり描くと目力が増し格好いい
印象をより際立たせられます。
4:耳や爪先など細かい所にも犬らしさを
イヌ科の耳は体毛が多く厚みがあり、先が丸みを帯びています。
分厚く頑丈そうに描くと犬らしさを強調できます。
犬の口周りには黒い肉ひだ(くちびる)があります。
この肉ひだは威嚇する時、牙を際立たせる役割や口元を清潔にするために必要です。忘れずにしっかりと描きましょう。
また、犬の爪はまっすぐで常に出しっぱなしの状態になっています。
また人間のように薄い形ではなく厚みがあり、運動靴のスパイクのように走りやすさを優先した構造です。
犬種別の描き分けのコツを紹介!
犬は、犬種によって体毛、マズルの長さ、シルエットなどが異なります。
それぞれの犬種の特徴を覚えて描き分けましょう。
1:ブル・テリアを描くコツ
のっぺりとした顔に小さな目が特徴的な犬種です。
他の犬種と比べるとおでこから目にかけてのホリ部分(目とマズルの間のエリア)を滑らかに描き、マズルは少し長く描きましょう。
耳は三角形を意識しつつ、体型はがっちりとした筋肉質で力強い体つきで描きます。
2:ミニチュアダックスフントを描くコツ
頭のサイズが他の犬種と比べて小さいです。
マズルも細長く鼻先から口元の高さを小さく描かないと印象が変わってしまいます。
耳は垂れていて、四角い形をベースに描きます。
胴体が長く、足が短いのが特徴的なのでアタリの時点で強調しておきましょう。
首はやや長めにとると身体がシュッと細長く見えやすいです。
3:スパニエルを描くコツ
スパニエルの犬種はマズルが短く、少し猫の顔に近いのが特徴です。
顔全体をやや丸みを帯びた状態で描きましょう。
耳は四角い形をベースに垂れたように描きますが、ダックスフントよりも更に大きく厚みがあり、耳のはじがふわふわとカールしているようにウェーブラインを意識します。
手足などの体毛はふわふわとカールした毛並みを強調するとぬいぐるみのような可愛いシルエットに見えます。
4:プードルを描くコツ
ふわふわとした体毛が特徴的な小型犬で、成犬でも仔犬のような顔のバランスを意識します。
他の犬種と比べて頭とマズルの高さに差があるので、マズルの位置をやや下げつつ鼻のサイズを小さく描くとバランスが取りやすいです。
首は長くまっすぐな背中が特徴なので、体は姿勢の良さを意識して描きます。
5:ラブラドールレトリバーを描くコツ
大型犬で、他の犬種と比べると頭が大きくマズルもしっかりしてます。
鼻筋はシュッと長めにとったり鼻筋を表すラインを引いたりすると凛々しい顔に見えます。
耳の形は三角形を意識しますが、たれ耳なので三角形の向きに気を付けましょう。
口の周りにある肉ひだをしっかりと描くとイヌ科らしいリアルで説得力のある作画ができます。
しっぽは厚みがあるので細く描きすぎないように気を付けましょう。
6:ブルドックを描くコツ
顔には特徴的なシワが刻まれ、下あごは大きく突出し、巻き上がっています。
下あごから胸までは2本のデューラップという皮膚のたるみがあります。
前足より後ろ足の方が高く、腰の位置をあげたように意識をしてアタリを描きます。他の犬種と比べて目と鼻の位置がかなり近いので、マズルの形の違いを掴みましょう。
犬は正しい練習で簡単に描ける!
人間も動物も構成のルールさえ理解すれば、バランスのとれた絵が描けます。
毛並みもルールを守れば、ロングやショートの描き分けしやすいです。
今回は基本的な描き方のルールをお伝えしましたが、身体の大小の差や種類によってより細かいルールに変化が生まれます。より詳しく知りたい、学びたいと思われたらスクールや学校での受講もご検討ください。
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