猫の描き方はバランスを知れば簡単!構造理解でネコ科を上達しよう
この記事はイラスト・マンガ教室egacoの講師(イラストレーター・マンガ家)が商業制作などで磨いた知識や技術をもとに作成しています。より自分の描きたいものに合わせた内容を知りたい方は、egacoでの個別指導レッスンの受講をおすすめします。
私たちの身近な存在である猫は可愛くて魅力的ですが、バランスを取るのが難しい生き物です。
のびのびとしたポーズや柔らかい毛並みをどう表現すればいいのか悩みますよね。
猫を上手に描くコツは「描き方のバランスを理解をすること」です。
猫の顔や身体の構造を理解して、自由に楽しく猫が描けるように学んでいきましょう。
猫の顔を上手に描くには?基礎知識・コツを解説
まずは猫の顔でも特徴的な輪郭や耳、口元などのパーツをシンプルな図形に置き換えます。
形をとる時は、図形をベースにしたアタリに整理すると描きやすいです。
アタリにあわせて猫の正面顔と横顔を描いてみましょう。
猫の正面顔の描き方
猫の顔のアタリをとる時は、人間と同じようにきれいな円で描きます。
中心を通る十字の線を引いておくと、顔のパーツのバランスが取りやすくなります。
口元の大きさは、顔の大きさを意識した丸いアタリの下半分に収まります。
中央のエリアに全体の3分の1程度のサイズ感で、円をイメージしたアタリを描きましょう。
目鼻の距離は、成猫と仔猫の違いやエキゾチック・ショートヘアといった猫の種類によって違うため、画像や写真を参考にして下さい。
猫の横顔の描き方
横顔を描く場合も、正面顔と同じように顔の大きさを表す丸いアタリと十字線を描きます。
マズル(口元)は、鼻先へ向かって細くなる台形に近い形で描き加えましょう。
横から見た耳の位置は、顔の中心線よりも奥側に描くよう気を付けて下さい。
耳を顔の前面に描きすぎると、顔全体が奥行きのない潰れたような印象になり、違和感の原因となってしまいます。
猫のマズルとは?
マズルとは、人間でいう鼻と口にあたるエリアです。(オレンジ部分参照)
猫のマズルは人間と比べて前方にせり出しています。
猫の歯は小さくて数も少ないので比較的マズルが小さめです、大きく描きすぎないよう注意しましょう。
また鼻の大きさは、大型のネコ科(虎やヒョウ)になると横に広がります。
描き分ける時は鼻のサイズを種類によって描き分けましょう。
猫の耳の特徴を押さえよう!
猫の耳は、先が尖っていてやや薄い厚みです。
また周囲の音を集めやすいように大きく発達したものが多いです。
耳の先には「房毛(ふさげ)」と呼ばれる毛が生えており、狩りをする際に細かな動きを捉えます。
耳の形状は三角形に近い形のものが多く、種類によって垂れている場合もあります。
厚みが薄いのも特徴の一つなので、分厚く描きすぎないように注意しましょう。
猫の目元の特徴を押さえよう!
猫の目の特徴として、ネコ目と呼ばれる釣り目っぽい目の形があります。
釣り目は、目頭より目尻が顔の中心ラインよりもやや上側を目指して描くとらしくなりやすいです。
目の形のベースは、丸みのあるひし形を意識しましょう。
また猫の瞳(瞳孔)は、明るい場所だとスリット状の縦長に見えることがあります。
これは夜行性動物の特徴で、猫の目は暗い夜でも周囲を見渡しやすくするため光に対する感度が高く発達しています。
猫の身体を上手に描く4つの基本・コツ
猫の身体のバランス・構造を理解することが大事
猫の身体のバランスを、人間の骨格と比べながら図解します。
人間も4足歩行の動物も「頭、首、胴体、足」で身体のパーツを区切れますが、配置が少しずつ変わります。
それぞれのサイズやバランスの違いを意識して描き分けましょう
猫のウエストはくびれない
猫のウエストラインはゆったりとしており、くびれがあまり出ません。
胴体は、茄子のような丸みのあるシルエットをしています。
この特徴は大型のネコ科でも同じです。
ライオンやトラも、胴体が分厚くくびれのないシルエットです。
ただチーターのような一部のネコ科以外は、基本的に胴体のくびれを強調しないように描いた方が良いです。
猫の前足と後ろ足は曲がり方が違う
猫は4足歩行で、基本的にはつま先立ちで歩きます。
高い所へジャンプや移動しやすいようにカーブしているのが特徴です。
足首を見比べると前後の骨格が微妙に違い、前足は短く後ろ足は長めです。
膝の関節は前足が後ろ側に少しくびれており、後ろ足が前へ曲がるように描きましょう。
また前後で指の数が違うため、前足は5本で後ろ足は4本と描き分けましょう。
猫の爪は出し入れ自由で、木登りなどがしやすく色んな場所にひっかけやすいようカーブした形です。
肉球がクッションとなり消音に優れています。
体毛の長さを描き分けて説得力UP
猫の体毛は柔らかくしなやかで、密度があります。
身体のラインにあわせて細かく生えますが、顔回りのシルエットは個体によっても様々です。
頬の体毛が多くまんまるとした顔に見える個体もいれば、あごのラインに沿って短い体毛が並んでシュッとした顔つきに見える個体もいます。
長毛種の場合は、全体的に不揃いでふわふわとした毛並みを意識して描くと良いです。
ただなんとなく描くのではなく「どんな毛並みかな?触り心地はどうか?」をイメージして説得力のある体毛を目指しましょう。
種類別で猫を描き分けよう
家猫は種類によって毛並みや顔立ちが違う
家猫でも、種類によって輪郭やパーツに違いがあります。
1:大型の家猫:メインクーン
大型の家猫として有名なメインクーンは、豪華な毛並みと立派なしっぽが印象的です。
顔は凛々しく、大きな縦長の輪郭に頑丈な口元が特徴です。
耳は大きく、格好いいと可愛らしさが共存しています。
毛並みもふさふさと立派で、身体の輪郭に合わせた動きを付けて描き込みましょう。
2:シャムネコ
メインクーンと比べてシャムネコは、すっきりとした優美でスレンダーな体型をしており、長い脚が特徴的です。
顔は顎から耳の先に向かってきれいな逆三角形で描きます。
体毛が短く密度の高い毛並みをしているので、身体のラインをふさふさと描かず、シルエットをなぞるように描きましょう。
毛並みは、人間の服のシワのように関節や首回りなど動きの影響が大きい部位へ短い毛のタッチをつけます。
3:スコティッシュフォールド
スコティッシュフォールドの一番の特徴は垂れた耳です。
顔つきや目元もまん丸になっており、ふっくらとした頬や口元が愛らしい印象を与えます。
体毛は、短毛種も長毛種もいますが、丸く可愛い印象が強いため強調して描きましょう。
4:エキゾチックショートヘア
エキゾチックショートヘアは、大きな真ん丸な顔につぶれて上を向いた小さな鼻が特徴です。
くりくりとした瞳が印象的で、他の猫と比べてマズルが短く潰れています。
猫の種類によっても大きく違うため、実物や写真を観察してみましょう。
ライオンやトラなど大型のネコ科を描き分けよう
大型のネコ科だと、ライオン、トラ、チーター、豹などが代表的です。
ネコ科の動物は、種類別で輪郭ラインに違いがあります。
チーターの顔が最も小さく、スマートな顔つきをしています。
ライオンやトラはあごの筋肉量が多いため、全体的に丸く厚みのある輪郭です。
豹は他のネコ科と比べて顔がやや縦長で、シュッとした顔つきを意識しましょう。
猫は正しい練習で簡単に描けるように
人間も動物も基本のルールは似た形で構成されているため、ルールを理解してそれぞれのバランスの違いを意識すれば、楽しく自由にバランスのとれた猫が描けるようになっていきます。
また、写真だけではなく本物の猫の観察も積極的にしてみましょう。
猫の描き方は独学でも練習できますが、経験がない方は私たちのスクールで学んでいただけると描きたい絵が描ける練習方法もご提案させて頂きます。
イラストや漫画の描き方を もっと上達するには?
- 記事は読んでみたけどうまくいかない
- イラストや漫画がもっと上手になりたい
- 独学で学んでいるけど伸び悩んでいる
そんな方に、イラストや漫画の描き方を学ぶことができるスクールについて紹介しています。あなたに合った学び方を見つけてくださいね。
egacoで学んでみませんか?
「イラスト・マンガ教室egaco」では、生徒さん一人ひとりに合わせた個別指導を行なっています。
学習内容は、講師があなたの目標をヒアリングし、現在の画力や興味関心に合わせた学び方で個別に受講内容を提案するので、自分のペースで学ぶことができます。
あなたの描きたいイラストをegacoで学んでみませんか?