足の描き方解説!足の構造を理解して理想の足を描こう
この記事はイラスト・マンガ教室egacoの講師(イラストレーター・マンガ家)が商業制作などで磨いた知識や技術をもとに作成しています。より自分の描きたいものに合わせた内容を知りたい方は、egacoでの個別指導レッスンの受講をおすすめします。
キャラクターの人体を描いていて、足を描く際に思ったように描けず悩んだり、挑戦してもなかなか思うように描けなかったり……そんな経験をして挫折してしまった方も多いのではないでしょうか?
足を上手に描くコツは「足の基本的な描き方や構造」を知ることです。
基本的な足の描き方や構造とあわせて、理想とする足を描くコツやヒントをお伝えします。
まず知りたい!足の作画上達基礎4つとは
足は頭身の高い人物を描くうえで、全身のバランスを決める重要なパーツの一つです。
また複雑で凹凸がある形や構造をしているため、足は見ただけでは理解できない難しい部位です。足を描くために知っておくべき知識は、大きく下記4つに分けられます。
- 人体に対しての足の比率
- 足のパーツの分け方
- 足の基本的な骨格や筋肉の構造
- 足の関節の可動範囲
これらの基本的構造をしっかり理解することで理想の足が描けます。
1:足の比率の取り方を知ろう
足をバランスよく描くために、足の比率を覚えましょう。
人体の下半身である足は、大腿(股関節から膝まで)と下腿(ひざから足首まで)が1:1の比率であることが基本です。
また「太もも、ふくらはぎ、足首」といった足全体を細分化した比率は、
7等身としたときに3(太もも):3(ふくらはぎ):1(足)の割合で考えるとバランスが良くなります。
以上のように下半身の比率のバランスを知っておくと、描くときに悩んだり、バランスが悪くなったりすることもなくなります。
2:足のパーツの分け方を知ろう
足を描くうえで、いきなり下半身全体を描くのは難しいもの。
そんなときは足のパーツ分けをしてみましょう。足の構造が理解できるためおすすめです。
足のパーツは、大きく下記の2つに分けて考えてみましょう。
- 太ももから膝のパーツ
- 膝から足首までパーツ
太ももから膝にかけてパーツ分けした場合、股下の太ももの部位が一番太くなり、太ももから膝にかけて段々と足の膨らみは細くなります。
膝から足首までをパーツ分けして考えた場合、膝からふくらはぎにかけて膝より少し太くなり、ふくらはぎから足首にかけて段々と細くなっていきます。
3:足の骨格や、筋肉を理解しよう
足の比率やパースを理解できるだけでも違和感のない足を描けます。
ですが、もう一歩先を行く知識として足の「基本的な骨組み」「重要な筋肉」この2つを理解できると、より説得力のある足を描けます。
知っておくべき4つの足の骨格
足を描くうえで押さえておくべき代表的な骨格は、大きく4つに分けられます。
- 大腿骨(だいたいこつ)
- 膝蓋骨(しがいこつ)
- 脛骨(けいこつ)
- 腓骨(ひこつ)
大腿骨は、股関節から膝の膝蓋骨にかけて体の内側に向かって生えています。
そのため正面から見た足の形は垂直ではなく、膝へ向かってやや内側へ湾曲しています。
横から見た場合、大腿骨は膝蓋骨に向けて垂直に近い形で生えています。
膝には大腿骨(だいたいこつ)や膝蓋骨(しがいこつ)、脛骨(けいこつ)が繋がっており、これらの骨の形は膝回りのシルエットにも影響します。
立っている時や膝を曲げた時に3つの骨の影響で、図のように凹凸があるシルエットになります。
足首の骨格は、内側の脛骨(けいこつ)の先端にあたる内くるぶしのほうが位置が高く、
外側の腓骨(ひこつ)の先端にあたる外くるぶしは、内くるぶしより位置が低いと覚えましょう
足の筋肉を覚えよう
足には様々な筋肉がありますが、足のシルエットを形成するうえでおさえるべき筋肉のパーツは大きく分けて図の通りです。
正面から見た太ももは、殿筋群(でんきんぐん)、内転筋群(ないてんきんぐん)、大腿四頭筋(だいたいしとうきん)、縫工筋(ほうこうきん)の4つです。
ふくらはぎは、腓腹筋(ひふくきん)、前脛骨筋(ぜんけいこつきん)の2つで構成されます。
ふくらはぎの筋肉である腓腹筋は、足の膝から下に大きなシルエットをなす筋肉のため膨らみをしっかり意識して大きく描きましょう。
裏側は、上から殿筋群(でんきんぐん)、内転筋群(ないてんきんぐん)、太ももの裏側の筋肉にあたるハムストリング、ふくらはぎは腓腹筋(ひふくきん)、ヒメラ筋、アキレス腱のシルエットを意識してください。
図のように筋肉の全体の流れで、太ももは逆の八の字です。膝から下は八の字のシルエットを意識すると、説得力のある足が描けます。
足の可動範囲を知ろう
足の股関節、膝、足首の関節の可動範囲は図のようになっており、個人差もありますがおおよそ決まっています。
これらの関節の可動範囲や角度を無視して描くと、関節が外れた足や、折れた足など違和感のある足になってしまいます。
可動範囲や関節の角度を把握しておけば、足の動きを捉えられて、違和感のない足を描けます。
応用編|足を性別や頭身、体系等で描き分けよう
1:男女での足の描き方や違いを知ろう
女性の足は、男性より足全体に脂肪がついているため、筋肉をあまり描き込みすぎずに丸い曲線を意識すると女性らしさがでます。
腰の外側のシルエットの曲線、ふとももの膨らみ、膝、足首のくびれのメリハリをしっかりつけて描きましょう。
男性の足は、女性より太もも、ふくらはぎが発達しています。
筋肉をしっかり描き込むことで、より男性らしい足を表現できますので、直線的なシルエットで筋肉の盛り上がりの凹凸を意識しましょう。
腰の外側のシルエットはなだらかになり、腰から太ももにかけて太く、膝にかけて緩やかにくびれていきます。
女性より膨らみや、くびれのメリハリはつけすぎないように注意しましょう。
2:年齢や頭身、体系での足の描き方の違いを知ろう
中学生から成人した男女は、身体つきの差で描き分けられます。
子供は大人に向けての成長段階の途中であるため男女差は少ないですが、子供といっても乳児と小学生の見た目は大きく変わります。
乳児は、体も足の骨格も未発達のため骨の凹凸はほとんどありません。
全体的に丸く、関節部分にシワとへこみがあります。
小学生くらいの年齢になると、乳児よりも骨格や筋肉が発達して、足のシルエットの凹凸は目立ってきます。
小学生までは明確な男女差はありませんので、男女の中間のような足で描きましょう。
デフォルメされた頭身で足を描く際は、男女ともに骨格や筋肉の凹凸を細かく描かないという点に注意してください。
描き込みすぎると、デフォルメ感がなくなり顔と体があべこべに見えてしまいます。
ミニキャラを描く際は、丸く凹凸のない乳児の足の描き方を意識してください。
体系での足の描き分けは、それぞれに体系の特徴がわかるように描きます。
痩せた足であれば、男性でも女性でも脂肪や筋肉があまりないため、骨格の凹凸を強調して描きます。
太った足であれば、痩せた足とは逆に脂肪が多いため肉付きを大きく、丸みのあるシルエットを意識して描くなど特徴をしっかり捉えて描きましょう。
3:ポーズのついた足を描き分けよう!
実際に足にポーズをつけると角度によって、足の一部分が見えなくなったり、短く見えたり、大きく見えたりと、立体感がでて奥行きがでます。
フカンやアオリなどの足の立体感や奥行きをしっかり意識して描きましょう。
足の構造や描き方を知って、理想の足を描こう!
最初のうちは、足を描こうとしてもなかなか難しいです。今回の記事を読むことで基本的な足の構造を知り、描くコツを掴むことができます。
得た知識をもとに、しっかり練習を重ねて足をたくさん描いてみましょう。
足の練習は個人でも出来ますが、最初のうちは思うように描けず、悩んだりすることもあると思います。
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