体のアタリの描き方はコツを掴めば劇的に上達する!初心者向け徹底解説
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「アタリ」とは何でしょう?
線を重ねて絵の形を決める「ラフ」や「下描き」とは少し違います。
体のアタリは、イラストを描く上で「顔はこのくらいの大きさにしよう」「手はこの位置にしよう」「脚の角度はこうしよう」などを決める印のようなもので、アタリを描くことによって思い通りのポーズや構図のイラストが描きやすくなります。
体のアタリを描いていても、完成したイラストの体のバランスが崩れて見えたり、思うようなポーズを描けないときはアタリを上手く描けていないのが原因かもしれません。
絵を上手く見せるアタリの描き方にもコツがあります。次章から、体のアタリの基本とコツを解説していきます。
体のアタリの種類を知って使いこなそう
体のアタリには色々な描き方があり、描く絵の目的によって使い分けることができます。
まずは大きく分けた3種類を見ていきましょう。
体のアタリの種類
体のアタリの種類には大きく分けて平面型、立体型、自由形があります。
平面型は四角や丸など平面的な図形を組み合わせたもので、立体型はその図形を立方体や円柱などで立体的に描き起こしたものです。
自由形は図形の組み合わせというよりも、
体のパーツそれぞれの形を単純化して組み合わせたり、体のシルエットだけを自由に線で描くようなものなど様々です。
アタリには色々な描き方があり、これを使うべきという決まりは無いのでネット検索や市販の教本を見て、良いと思ったアタリの描き方があったらそれを使ってみましょう。
体のアタリの使い分け方
平面型、立体型、自由形にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
平面型
- 描く線の数が少ないので手軽
- シンプルなので全身のバランスを見直しやすい
- アオリやフカンなど、立体的な向きやポーズに向いていない
- 体の立体感を覚えていないと、実際に体を描き起こしたときに絵が平面的になりがち
- 実際に体の線を描いた時に筋肉の位置や形がブレやすい
立体型
- アオリやフカンなど、立体的な向きやポーズに向いている
- 体の立体を覚える練習になる
- 体全体の立体感を見直しやすい
- 図形の組み合わせなのでポーズが硬くなりやすい
- 図形を正確に描ける技術が必要
自由形
- 実際の体の形に近い線を描いていくので、シルエットを掴みやすい
- 動きのあるポーズが描きやすい
- 線が多く、全体のバランスを見直すのに向いていない
- 筋肉、骨格の位置や形の知識があるていど必要なので、体を描くのに慣れた人向き
正面から見た体は平面型を使い、アオリやフカン、体のパーツに奥行きのあるポーズは立体型を使うなど、描きたい絵に合わせて使うことができるとベストです。
体のアタリの基本を覚えよう
アタリの種類や使い分けはわかりましたか?では実際に描いてみましょう。
まずはアタリを描く時の大事なポイントを紹介していきます。
全身のバランスの基本
体全体や腕脚の長さには法則があります。
全身を描いた時、頭から腰までの上半身、腰から足首までの下半身は1:1(長さが同じ)と覚えましょう。
また腕も、上腕と前腕が1:1、大腿と下腿が1:1であることを覚えましょう。
アタリを描く前に等身を決めよう
体のアタリを描く前に、必ず等身を決めましょう。
等身とは頭の大きさを1としたときに、足の先まで頭が何個分かで身長を図る方法です。
等身を決めずに描いていくと、体のバランスがねらった印象からズレてしまったりします。
幼い子供は4~5等身、中学・高校生は6~7等身、大人は7等身以上を目安にすると良いでしょう。
等身を決めたら、全身や腕や脚に1:1の比率を当てはめてアタリを描いていきます。
上半身と下半身の比率や等身がバラバラだと全身のバランスが悪く見えます。
ですが脚が短ければファンタジー小説に出てくるドワーフのような体が描けますし、腕と脚が長ければ長身で不気味な印象のキャラクターが仕上がります。
描きたいキャラクターにあわせて等身や比率を調節するのも良いでしょう。
男女で体のアタリを描き分けよう
体のアタリの形は男女で違います。
図のように、女性は肩幅よりも腰の幅を大きくすると女性らしく。男性は肩幅を大きくして腰の幅を小さくすると男性らしくなります。
トイレのマークのように三角形の向きで覚えるとカンタンです。
これらのバランスがねらった通りに出来ていないと、それぞれの性別の“らしさ”に違和感が生まれることがあるので注意しましょう。
関節と末端からアタリの位置を決めよう
比率、等身、性別が決まったら、次に描き順を覚えましょう。
基本は頭から首、首から胴へと上から順に描いていきますが、腕や脚は関節の位置を決めて描いてから、それらを繋げるようにして描き進めると長さのバランスが取りやすくなります。
また、体のアタリを描くときは手や足の末端から描くことで、画面にきれいに全身を納めることができたり、イメージしたポーズの雰囲気を崩すことなく描くことができます。
アタリを関節や末端から描かないと、腕と脚の比率のバランスが崩れたり、思い描いたポーズから少しズレたりしやすいので注意しましょう。
ポーズを付けたときのアタリの描き方
アタリの描き順は前述したように関節や末端からが基本ですが、ポーズによっておすすめの描き順があります。
まずはポーズを頭の中で思い浮かべる
描く前に、どんなポーズを描くか決めましょう。
それぞれのポーズにはポイントとなる部分や、その絵の魅力になる部分があると思います。
ピースしている手、首をかしげた頭、スラっと前に出た脚……
人物イラストを描く上で、魅力となるポイントを決めることは大切です。
どんなポーズを描くか決まりましたか?
ポーズを付けたときはポイントになる部分からアタリを描こう
おすすめの描き順は、絵の魅力となるポイントからアタリを描くことです。
たとえば下の絵は、前に大きく出た手が絵の魅力ポイントになります。
この場合、画面の中に先に手と顔のアタリを配置することで、ポーズを収まり良く描くことができます。
上の絵は1人ですが、この方法は複数人のときも同じです。
まず顔はキャラクターの命なのではじめに配置を決めて、そこからこの絵のポイントとなる花束の位置を決めてから体を描いていきます。
このように顔や絵のポイントとなる部分はアタリを先に配置すると、ねらった構図のイラストが描きやすくなります。
自然なポーズにするために重心を意識しよう
体全体の比率や形は良いんだけど、なんかバランスが悪く見える……
そんなときは、重心を意識できていないかもしれません。
重心とは、体の軸になる場所、体重を支えるとき重さの中心となる点のことです。
直立ポーズのときは体の中心線と左右の足の中心が真っすぐに並びますが、片足に体重を乗せたポーズの場合はその足が全体重の支えになるので、足の点と体の中心線が縦に並ぶようになります。
体の流れを意識しよう
体のアタリは形も重心もOK、だけどなんかポーズが硬くなる……
といった悩みが出てきたら、体全体の流れを意識すると良いでしょう。
まず下の絵をご覧ください。
この4体は、体のてっぺんから脚先までを大まかに線でつなげたときに、ゆるやかなS字やカーブを意識した形になっています。
このS字やカーブが体の流れです。
人間の体は関節がとても多くそれぞれが動くので、自然なポーズは体全体の関節が動くような柔軟な形になります。
ポーズが硬い印象になる原因は、一部の関節しか動いていなかったり、体の流れを意識できていなかったりすることがほとんどです。
体全体の流れを意識して、より自然で動きのあるポーズにチャレンジしてみましょう!
おわりに
アタリを描くことは、絵の出来栄えを左右するはじめの大事な工程です。
イラスト初心者はアタリを正確に描く練習をたくさんすると良いでしょう。
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