フードの簡単描き方講座!デフォルメ・ファンタジー調の作画も解説
目次
フードを被っている好きなキャラクターのイラストを描きたいのに、正面以外のフードの描き方が分からない……。
フードを描こうとした時、複雑な形で描き方がよくわからなかったり、どこか違和感を感じたりしたご経験はありませんか?
フードを被っているキャラクターにとって、フードはトレードマークである場合も多いですよね。
フードは難しく見えるパーツですが、基本的な構造を理解することで、誰でも違和感なく描けるようになります。
この記事では、フードの構造から塗り方まで解説します!
フードを上手に描くには構造理解が大切
フードは立体感が大事な服のパーツです。
立体感を表現するためには、フードの見えていない部分を想像で補う必要があります。
頭の中でフードを立体的にイメージする手助けとして、構造から深堀りしていきましょう。
フードの布の形・縫製
- 赤線:顔が出てくる部分
- 紫線:胴体の布と縫い合わされる部分
- 青線:2枚が縫い合わされる部分
- 縫い代:生地の強度を保つため最低限確保しておく布幅
- 仕上がり線:ミシンで縫う部分
フードの布はこのような形から作られています。
布からフードができるまでの手順
- 同じ形をした布を2枚用意し、青線のラインで縫い合わせます。
- 顔を出す部分を外側にめくるように折ります。
- 折られた箇所を赤線で縫い合わせます。
- 全体の裏表をひっくり返します。
- 紫線の部分が胴体の布地に縫い合わされることによって、フード付きの服が完成します。
角度のついたフードの特徴・描き方コツ
スウェット生地で作られたフードを5つの視点から見ていきましょう。
脱いだ状態のフードを角度ごとに解説
正面
フードの前面中央で一番強く布が引っ張られ、シワが多くできます。
フード内側の布が盛り上がって襟のように見えます。
側面
肩を支点にして布が前後に落ちます。
背面
袋をイメージしながら描きましょう。
前面中央の布が引っ張られている部分から離れるので、シワは少ないです。
斜め前
肩の回り込みを意識しましょう。
内側の布は襟を作るようにイメージします。
斜め後ろ
斜め前と同様に肩の回り込みを意識しながら描きましょう。
背面同様に前面中央の引っ張られている部分から離れるので、前面よりシワが少ないです。
- POINT 一番多くシワが集まるのは前側中央の鎖骨あたり
-
脱いだ状態のフードのシワができるところを観察すると、フードの前側中央の鎖骨あたりに一番多くシワが集まります。そこから広がるようにシワを描きましょう
被った状態のフードを角度ごとに解説
正面
スウェット生地の標準的なフードは、頭の丸みにフィットするように作られている物が多いため、内側の布が見える範囲は狭くします。
側面
頭頂部から布が下に落ちていくようにイメージしましょう。
背面
被っている状態のフードを後ろから見た場合、首元のシワや、フードと胴体の縫い目は隠れないように注意しましょう。
- POINT 被ったフードは付け根部分にシワが集まる
-
頭頂部と布が接している部分から重力に従って布が下に落ち、フードの付け根部分にシワが集まります。 そのため、布が張りやすいフードの上半分はシワがあまりできません。 下に行くにつれてシワを増やしましょう。 また、フードを被る深さによってシワが作られる部分も変わっていきます。
- POINT 頭を動かした場合のシワの入り方
-
頭を動かした場合でも、頭を正面に向けている時と同様にフードの付け根部分にシワが集まります。 首を向けた側に布が余ることにより、布がたるんだり重なったりしてシワができます。 反対側は布が引っ張られるようなイメージをしましょう。 顔を上げた場合、角度によっては重力で脱げることも想定しましょう。
4ステップでスタンダードなフードの線画を描いてみよう!
まずはフードの内側と外側を意識しましょう。
布の厚みを表現する上でも大事です。
脱いでいる状態のフードの描き方
- STEP01 まずは素体を用意しよう
- まずは服を着せるための素体を用意します。 鎖骨を描くと布をどこに配置するかの目印になります。
- STEP02 素体の首を中心に、少し離れた位置にフードの外側の布を円を描くように布を描こう
- 端は鎖骨のあたりに重なるように置き、ファスナーがある場合は先端が付くように置きましょう。両サイドは八の字になるようイメージし、下の方が大きくなるように描きます。 この時、少しデコボコした線を引きシワ感を出しましょう。
- STEP03 内側の布の「盛り上がり」を描こう
- 工程2で配置した布の内側に、着物の襟のように首に接した布を盛り上がるように描きます。 中央部分は少し隙間を空けましょう。
- STEP04 フードのシワを描こう
- 正面中央の布が重なっている部分の、胴体の布とフードが縫い合わされているライン(緑線)からシワを描きます。
- STEP05 脱いでいる状態のフードが完成
- これで脱いでる状態のフードが完成しました
被っている状態のフードの描き方
- STEP01 まずは素体を用意しよう
- 服を着せるための素体を用意します
- STEP02 顔を出す穴の部分を描こう
- 顔を出す部分の穴をひし形をイメージしながら描きます。 顔の角度が正面から側面に変わるほど穴の横幅は狭くし、フードの上の方は前に突き出るように描きましょう。
- STEP03 フード全体のシルエットを描こう
- フードの下半分に重心が行くように全体のシルエットを描きます。 素体のシルエットから髪と布の厚み分だけ大きくしましょう。
- STEP04 フードのシワを描こう
- シワを正面中央の鎖骨あたりから背中に向けて描きます。
- STEP05 被っている状態のフードが完成
- これで被っている状態のフードが完成しました
影で立体感を表現!簡単フードの塗り方解説!
服のシワの塗りは、光源の設定と影色のフチの強弱が重要です。
脱いでる状態のフードの塗り方
手順1:フードに1影をいれる
大まかな影である1影を入れます。フードのフチは影を入れずに布の厚みを表現しましょう。
胴体部分はフードが付いている縫い口から、身体の下中央に向かって影を入れます。
手順2:フードにいれた1影を馴染ませる
カーブが緩やかなシワはエアブラシなど柔らかいブラシを使い、影のフチをぼかします。
逆に角度が急なシワの場合はフチを硬めに残します。
緩やかなカーブとしっかり布が折れている箇所で影フチの硬さを使い分けましょう。
手順3:フードに2影を入れる
布の重なりが深い場所に濃い影である2影を入れます。
この時、全体的に暗い印象になるのを防ぐために2影は小さい範囲に入れましょう。
1影だけでも問題ありませんが、2影を入れることで情報量を増やしたり、のっぺりした印象を払拭したりできます。
手順4:フードにいれた2影を馴染ませる
1影と2影を馴染ませるために、エアブラシや馴染ませツールでぼかして、グラデーションにします。
これで脱いだ状態のフードの基本的な塗りが完成します。
被った状態のフードの塗り方
手順1:被ったフードに1影をいれる
フードと胴体の布に入るシワをそれぞれ別の角度で大まかな影を入れます。
フード部分は頭頂部から長いシワを下に降ろし、胴体部分はフードが付いている縫い口から、身体の下中央に向かって影を入れます。
手順2:被ったフードに入れた1影を馴染ませる
カーブが緩やかなシワはエアブラシなど柔らかいブラシを使い、影のフチをぼかします。
逆に角度が急なシワの場合はフチを硬めに残します。
緩やかなカーブとしっかり布が折れている箇所で影のフチの硬さを使い分けましょう。
手順3:被ったフードに2影をいれる
被っている状態のフードの表面は布が重なる部分が少ないため、2影は小さく入れます。
フードの内側は光が当たりづらいので、2影を大きく入れましょう。
手順4:被ったフードにいれた2影を馴染ませる
1影と2影をエアブラシや馴染ませツールでグラデーションにします。
これで被っている状態のフードの基本的な塗りが完成します。
- POINT 影をエアブラシや馴染ませツールでぼかしながら塗って、布の柔らかさやシワを表現しよう
-
影のフチの描き方によって、布のカーブの強さを表現できます。 布が強く曲がる時は影のフチをしっかりと描き、ゆるやかに曲がる時は影のフチを広くぼかすとシワの強弱を作ることが出来ます。 フチ部分はベース色を残すことにより、布の厚みが表現できます。
布の厚みでフードのシルエット・シワを描き分けよう
フードの布の厚みによって、服の質感やシルエットが変わります。
また、厚みによって季節感を描き分けられるので重要です。
布の厚みを意識しにくい時は、布の切り口の断面をイメージしましょう。
コピー用紙と画用紙の厚みが違うように布にも厚みの違いがあり、厚さによって折れやすさやシワの出来やすさが変わります。
薄手スウェット生地
薄めのスウェット生地は比較的軽く柔らかいのでシワが出来やすいです。
被った場合は頭頂部から首にかけて、シルエットが出やすいです。
厚手スウェット生地
薄手のスウェット生地より、わずかに重く硬めでコシがあるのでシワが出来にくいです。
シワの折れ目は少し丸みが出るように意識しましょう。
被った場合は、薄手スウェット生地と違い頭頂部から首のシルエットが出にくいです。
厚手ウール生地
厚手のウール生地はダッフルコートやチェスターコートで使用されます。
フードは少し布に余裕があり、大きめです。
厚手のスウェット生地より重く硬い生地のため、シワはゆったりしたカーブの形をとります。
ダウン生地
ダウン生地の服は、中の綿が一か所に集まることを防ぐために、ステッチ(縫い目)が施されていることが多いです。
ステッチ毎に布が絞られるように表現しましょう。
綿で布がふくらむ分ハリが出て大きなシワは少ないですが、ステッチ部分に細かいシワが出来ます。
布は比較的軽いため、厚手のウール生地ほど重力で布が下に落ちず、頭に沿った形をとります。
- POINT 季節感や素材を意識してフードを描き分けよう
-
冬場に使用されるフードは、風が侵入しづらいように首元まで布で覆われていたり、ダウンジャケットは顔を出す部分が狭く作られていたりするものもあります。フードには裏地(布製品の内側に使われる生地)が付いてることもあるので、その場合は布2枚分の厚みを意識することも大事です。
デフォルメ・ファンタジーなフードの描き方解説!
シンプルで可愛い絵柄に繊細で細かいシワのフードを描くと、違和感が生まれてしまいます。
描きたい絵柄や世界観に合わせたフードを描きましょう。
デフォルメイラストのフード
デフォルメキャラのフードはシワを最小限にしましょう。
頭身が小さくなる程シワを少なくフードの形を単純にして描くと、キャラクターに馴染みます。
3頭身の場合は布を2パーツに分けてシンプル表現、2頭身の場合は布の袋を首に巻くイメージで描きます。
描きたい頭身によって、シワの量やフードの形を使い分けましょう。
ファンタジーイラストのフード
雪国キャラクター風フード
寒い環境にいるキャラクターを描く時は、ファーを付けてみましょう。
風が侵入しづらいキメ細やかな布をエアブラシで表現できます。
戦闘キャラクターのフード
戦うキャラクターのフードは、布を少しボロボロにして描きます。ハッチングなどを取り入れて、布の荒さを表現してみましょう。
死神風のフード
フードの後ろ側をとがらせて描きます。スタンダードなフードから形状が変化するほど異世界感を表現できます。
赤ずきん風のフード
フード付きマントを着たキャラクターを描きたい時は、肩に接する布を大きくたるませます。
暗い色で塗ると魔女風のフードも表現できます。
形はもちろん、ボロボロ、フワフワなど、塗りで質感を表現することも大事です。
違和感ないフードを描けるようになり、絵の説得力をアップしよう
フードのシワの描き方や、様々な角度から見たフードの描き方がこの記事を読むことによって掴めたかと思います。
キャラクターの特徴によってフードの特徴も変わることがあるので、まずは標準的なフードの構造やシワの作りを理解して、応用できるように挑戦していきましょう!
ただ、フードの描き方は分かったけれど、塗りで質感の差を出すのが難しい、記事を読んだけどよく分からなかった場合は、イラスト・マンガ教室egacoでのご受講もぜひご検討くださいませ。
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