擬人化イラストの描き方!基礎知識・設定・デザインの考え方を解説
この記事はイラスト・マンガ教室egacoの講師(イラストレーター・マンガ家)が商業制作などで磨いた知識や技術をもとに作成しています。より自分の描きたいものに合わせた内容を知りたい方は、egacoでの個別指導レッスンの受講をおすすめします。
自分の好きなモチーフを、擬人化してイラストを描いてみたいと思ったことはありませんか?
でも、モチーフをうまく伝えるのって難しいですよね。
擬人化したイラストを描くコツは2つあります。
- モチーフの背景を深掘りすること
- モチーフからポイントを見つけること
この記事では、バリエーション豊かなデザインの引き出しを増やすテクニックやコツをご紹介します。
擬人化の知識を得て、イラスト制作にチャレンジしてみましょう!
擬人化とは?
擬人化とは、人間以外のものを人物に例えて、人の性質や特徴を与えることの呼称です。
他にも人間ではないものを人の姿で描くほか、人の言葉を喋らせるなどの方法があります。
今回は、広く一般的に見られる、題材を人の姿にしてみる方法をメイキング形式でご紹介します。
擬人化イラストの描き方
擬人化イラストを制作するには、描き方の手順を知ることが大切です。
漠然としたイメージで進めてしまうと、どこが完成なのかが分からず、アイデアが堂々巡りしてしまうので、手順に沿ってしっかり進めていきましょう。
手順1:ウェビングマップを使ってアイデアを展開しよう
まずはモチーフを概念化するために、イメージを広げていきましょう。
アイディアを出す時は、思いついたアイディアを次々と繋いでいき関係のあるものを洗い出すウェビングという手法(頭の中にあるイメージやアイデア、知識や概念などを整理するために描く図)を使うのがおすすめです。
中心に軸となるテーマを書いたら、その周りに、どんなものでもかまいません。
お題から連想できる色、様子、図形などのイメージをどんどん書いてモチーフを概念化していきましょう。
(例)クレープ→フルーツ→いちご→赤い→つぶつぶ→三角
クレープ→ひだがある→フリル→白→ふわふわ・・・など
リストアップしたモチーフから、キャラクターのコンセプトを決めていきます。
今回は、クレープというテーマから広げていき、アイディアの思い浮かびそうなモチーフをいくつか選びました。
擬人化はモチーフの掘り下げが深くなっていくので、拾い上げたモチーフたちを整理するために、優先順位をつけたほうがいいでしょう。
今回は、よりモチーフの特徴が現れやすい生クリーム、いちご、生地の3つをメインのコンセプトに設定します。
手順2:モチーフからテーマカラーを決めよう
配色は、擬人化をしたモチーフの印象に深く関わってくる大事な要素です。
配色に迷ってしまう方は、以下の2つの方法を試してみましょう。
- カラーの色の面積比を出してみる方法・・・イメージを掴みやすいのでおすすめの方法です。
- コンセプトからメインカラーをきめる方法・・・いちご→赤、生地→クリーム色、差し色でミントやマスカットの緑をバランスを取りながら配色しました。
マンゴーとベリーのように、反対同士の色を選ぶと目立つ印象になります。
逆に、チョコバナナの組み合わせのように、お互いが類似色だと馴染みます。
手順3:キャラクターのプロフィールを決めよう
年齢、性別、性格、職業も考えてみましょう。
ウェビングマップで出したモチーフを参考に、設定を決めていきます。
例えばフルーツのクレープなら甘いものが好きそう、おてんばそう、若い、ふわふわな服、かわいいものがすき、チェック柄の服など、イメージを膨らませていきます。
手順4:歴史を深掘りしてみよう
時代背景を調べてさらに設定を深掘りしていくのもいいでしょう。
貴族の背景、服装、リアルとファンタジーをかけ合わせてみたりしてもかわいいです。
フルーツのクレープの場合、元々はフランス料理なので、フランスの服、衣装、髪型を参考にするなどして設定をなるべくこまかく考えていきます。
モチーフの歴史や背景を深掘りすることで、ウェビングマップとはまた違った視点から見ることができ、知らなかった設定を見つけられます。
手順5:デザイン案をいくつか出してみよう
擬人化のデザインは、シルエットから考えるのがコツです。
大げさなくらいメリハリをつけるといいでしょう。
さきほど深掘りした歴史を踏まえて、服のデザイン案をいくつか出してみます。
髪型、羽やしっぽの有無、帽子やスカートの形など、シルエットに大きく影響する部分から考えます。
帽子にモチーフの特徴を取り込んでみたり、スカートにもモチーフを連想するような形にしていきます。
クレープの生地の形が特徴的なので、帽子に大きく生地の形と中身を盛り込みました。
手順6:デザインをさらにブラッシュアップしよう
プロフィール、カラー、モチーフを生かしたシルエットが決まったら、さらにデザインをブラッシュアップしていきます。
手に持っている物、背景に置く小物、ペットなど、キャラクターの周りにある物たちを使うことでキャラの個性を引き出せます。
ウェビングマップで出したモチーフを盛り込みつつ、掘り下げたモチーフの背景からアイデアを探しましょう。
手順7:イラストの完成
キャラクターデザインが出来たら、イラストに落とし込んで完成です。
ウェビングマップなどを使ってモチーフの背景を掘り下げたことにより、アイディアを沢山盛り込んだイラストになりました。
擬人化のコツまとめ
擬人化のコツは、以下の2つの方法を実践することです。
- 盛り込みたいモチーフに優先順位をつける
- モチーフの背景を掘り下げること
テーマとなるモチーフの背景を掘り下げて、バリエーション豊かなアイディアが出てきたら、優先順位をつけて作品に盛り込むようにしましょう。
優先順位をつけることで、本当に伝えたいことが分かりやすくなります。大切なのは、イラスト全体を通して、見る人にテーマが伝わることですが、一人で思うようにいかない場合はスクールでの受講もおすすめします。
イラストや漫画の描き方を もっと上達するには?
- 記事は読んでみたけどうまくいかない
- イラストや漫画がもっと上手になりたい
- 独学で学んでいるけど伸び悩んでいる
そんな方に、イラストや漫画の描き方を学ぶことができるスクールについて紹介しています。あなたに合った学び方を見つけてくださいね。
egacoで学んでみませんか?
「イラスト・マンガ教室egaco」では、生徒さん一人ひとりに合わせた個別指導を行なっています。
学習内容は、講師があなたの目標をヒアリングし、現在の画力や興味関心に合わせた学び方で個別に受講内容を提案するので、自分のペースで学ぶことができます。
あなたの描きたいイラストをegacoで学んでみませんか?