漫画のペン入れのコツ!うまくいかない原因・改善方法・道具まで解説

この記事はイラスト・マンガ教室egacoの講師(イラストレーター・マンガ家)が商業制作などで磨いた知識や技術をもとに作成しています。より自分の描きたいものに合わせた内容を知りたい方は、egacoでの個別指導レッスンの受講をおすすめします。
漫画の下書きは上手くできるのにペン入れは上手くできない……。
ペン入れが終わった後に納得がいかなくて、残念な気持ちになる経験はありませんか?
漫画を描く上でペン入れは、重要な工程です。そしてペン入れは下書きの描き方や線を引くときの手の運び方、道具選びや強弱のつけ方などが大事です。
この記事では、下書きの方が良く見える現象の解決方法から実際にペン入れをするときに生かせる表現方法など、漫画のペン入れのコツを解説します!
下書きとペン入れで印象がズレる原因と解決策を知ろう

上の画像のように、ペン入れをすると絵の印象が大きく変わることがあります。
原因は大きく分けて2つあります。
- 下書きの線が多すぎる
- ペン入れのときに下書きを丁寧になぞっている
まずは、原因と解決方法を知って、ペン入れ自体に対する苦手意識を無くしましょう。
印象がズレる原因
下書きの線が多すぎる

下書きの線が多すぎると、脳が無意識に良い線だけを選び、勝手に良いイメージを生み出します。
そのイメージとペン入れ後の絵で認識のズレが出た結果、「なんか違う……」とガッカリすることにつながります。
ペン入れのときに下書きを丁寧になぞっている

下書きは自由に線を引けるので、結果的に勢いのある線になります。
勢いのある線は、読み手に生き生きとした絵の印象を与えます。
下書きが上手に描けたからといってペン入れの時に丁寧に下書きをなぞると、線の勢いは無くなってしまいます。
印象がズレないための方法
下書きの線を整理する

下書きは線を整理しながら描くように意識しましょう。下書きの段階で線を整理しておくことで、ペン入れ後も印象が変わりにくくなります。

線の終着点を考えながら引くと、思い通りの位置に線を引けるので、どこに線を描きたいのかを常に考えて描きましょう。
下書きを丁寧になぞりすぎない

線の勢いを無くさないためにも、下書きを丁寧になぞりすぎないようにしましょう。
下書きはあくまで線の目安位置です。下書きとまったく同じ線を引く必要はないので、止めやハネを意識しつつ線をすばやく引いて、生き生きとした線にしましょう。
手の動かし方や道具の選び方を知ろう

ペン入れのときに綺麗な線画を描くためには、
- 線のストロークの長さ
- 自分に合った道具
- 自分に合ったペンの種類
を意識しましょう。
線のストロークの長さを意識しよう

線は短いストロークで描くよりも、長いストロークで描く方が見栄えがいいです。
長いストロークを描くためには、手首だけを動かすのではなく、腕全体を動かす必要があります。
最初は慣れないかもしれませんが、意識しながら線を引く練習をすることで、身につきます。
デジタルの場合は手ブレ補正をかけると、線がブレてしまうことを防げます。
自分に合った道具を選ぼう

使う道具によって絵の描き心地は変わり、思った通りの線を引けないことがあるので、使う道具にも一度目を向けましょう。
デジタルの場合はスマートフォンやiPad、板タブレットや液晶タブレットといった道具があります。
スマートフォンやiPadは画面が小さいので、短いストロークでも画面上では長くてきれいな線を引くことができます。
板タブレットや液晶タブレットは画面が大きく、手元や描いている部分がよく見えるので、線の終着点を認識しやすいです。
それぞれ利点はありますが、どの機材を使うときれいにペン入れできるのかは人によって異なるので、体験してから購入することをオススメします。

アナログの場合はペン先やインク以外にも、水色のシャーペンやトレース台といった道具があります。
ペン先はGペンや丸ペンなど、種類によって描き心地や表現できる線が変わります。
ペン先はできるだけ新しいものを使うことがポイントです。
どのペン先も使い続けると先が広がり、ペン入れすると太い線になってしまいます。
描き心地が変わったと感じたら、新しいペン先に交換しましょう。
インクは墨汁や水性インクなど多くの種類があります。
インクの滲みや引っかかりが原因で、上手くペン入れできない人も多くいます。
それぞれ長所も短所もあるので、自分に合うものが見つかるまで試しましょう。
水色のシャーペンは色が薄いので線を引いている場所が分かりやすく、ペン入れで迷うことが減り、ペン入れがきれいな仕上がりになります。
トレース台は下書きを透かして別紙にペン入れができます。
原稿用紙に直接下書きを描くと、筆圧で用紙が凹み、ペン入れのときに線がぶれる原因になります。
別紙に描いた下書きをトレース台で透かしてペン入れをすると良いでしょう。
デジタルとアナログで描き心地は異なります。
作家によっては下書きはアナログ、ペン入れはデジタルという風に使い分ける人もいるので、両方を試してみて、きれいにペン入れをするために自分に合う道具を選びましょう。
詳しくは、下記の記事を参考にしてください。
自分に合ったペンの種類を選ぼう

ペンの中にも、Gペンやミリペン、ボールペンやマーカーといった様々な種類があります。
今まで自分が使っていたペンより、新しく使い始めたペンのほうが描きやすい!なんてこともよくあります。
ペン入れを上手にするためには、自分に合うペンを見つけることも重要なので、いろんなペンを使ってみましょう。
描きたいものの質感によってペンを使い分けることもあるので、お気に入りのペンを何本か見つけてみてはいかがでしょうか。
ペンを使い分け例
- 強弱がつけやすいペンを使いたい→Gペン
- 細い線を引きたい→丸ペン
- つけペンが苦手、一定の太さで線を引きたい→ミリペン
詳しくは、下記の記事を参考にしてください。

線に強弱をつけて様々な印象を与えよう

綺麗な線を引くには、線に強弱をつけることもとても重要なポイントです。
線に強弱をつけることで
- 前後感
- 光と影
- 速さや躍動感
を表現できます。
前後感を表現するための強弱

左は均一な太さの線で描いた絵で、右は手前のものを太い線、奥にあるものを細い線で描いた絵です。
手前にあるものは太い線で描くことでハッキリと見え、奥にあるものは細い線で描くことでぼんやりと見えるということを、線の強弱で表しましょう。
光を表現するための強弱

左は均一な太さの線で描いた絵で、右は光が当たらない部分を太い線、光が当たる部分を細い線で描いた絵です。
光が当たらない部分は太い線で描くことで、陰の暗くて濃い印象を与えます。
光が当たる部分は細い線で描くことで、光で明るくなり輪郭があやふやになっている印象を与えます。
速さを表現するための強弱

躍動感を出すための表現としてよく使う流線ですが、これも強弱があるかどうかで大きく印象が変わります。
左は流線を均一な太さで描いた絵で、右は流線に強弱をつけて描いた絵です。
物体の移動先から、物体が元々あった位置までの線を徐々に力を抜くように細く描くと、速さや勢いを表現できます。
極端な強弱のつけすぎには注意

強弱をつけることで、線だけで様々な印象を与えられます。
しかし、左の画像のような極端な強弱のつけすぎは、見にくい線画になってしまう恐れもあります。
どの部分にどれだけの強弱をつけるべきかを考えてペン入れすることが、上手なペン入れのコツです!
ポイントを抑えれば、きっと上手にペン入れできる
この記事で紹介したことを踏まえて漫画のペン入れをすると、クオリティがアップするはずです。
ただ、この記事を見て描いてみたけど、うまく描けているのか分からないといった悩みが出た人もいますよね。
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