デッサンとは?意味・役割や絵の上達にどう役立つのかを解説
この記事はイラスト・マンガ教室egacoの講師(イラストレーター・マンガ家)が商業制作などで磨いた知識や技術をもとに作成しています。より自分の描きたいものに合わせた内容を知りたい方は、egacoでの個別指導レッスンの受講をおすすめします。
「絵が上手くなるためにはデッサンが必要」
その言葉はよく耳にするけれど、なんだかいまいちピンとこない。
デッサンといえば美大受験のために必要な実技というイメージがありませんか?アトリエの中で石膏像や静物画を木炭や鉛筆で黙々と絵を描く…そういったイメージが強いのは、デッサンがなぜ必要なのか、という理由がわからないのが原因かもしれません。
絵を描く上で大事なことがデッサンの中にはたくさん隠れています。
多くのイラストレーターや作家たちが「デッサンは大事だ」と言った意味が分かれば、これまでの作品とは一味違う仕上がりになるでしょう。
デッサンのイメージを塗り替えよう
ずばりデッサンとは、観察力を鍛えるための特訓方法です。
暗いアトリエ、石膏像、静物画…これらのイメージが強いと、なかなかデッサンへの苦手意識が消えません。
まずは、デッサンという言葉から受けるイメージを0から塗り替えていきましょう。
物の形や質感(硬い、柔らかい、でこぼこしてる、など)を感じ取って、それを絵に起こしていきます。
そのため必ずしも石膏像や静物を描かなければいけないというわけではありません。
靴やカバンなど身近なものを描くことも立派なデッサンです。
デッサンが必要な理由
デッサンは観察力を鍛える特訓です。
ではなぜ観察力をつけなければいけないのか?それは絵に説得力を与えるためです。
例えば三角形を描いて「これは美味しそうなおにぎりです!」と周りに言ってもなかなか見る側には伝わりません。
お米がツヤツヤしていたり、ふっくらと柔らかい形をしていたり、美味しそうなおにぎりの特徴が描かれていないためです。
説得力のないイラストだと、そのイメージを見ている側が正確に受け取ることが難しくなります。
見ている人にその絵の良さや内容を伝えるには、物をよく観察し、特徴を捉えて、それを表現すること。
デッサンが必要と言われるのは、その練習にもってこいだからです。
デッサンに必要な道具、モチーフ
デッサンに必要なもの
デッサンを行う時の道具はいろいろありますが、最低限必要なものはそう多くありません。紙、鉛筆、消しゴム、そして対象物のモチーフです。
紙(画用紙、スケッチブックなど)
出来れば画用紙などの目の粗いものがよいです。鉛筆が程よく引っ掛かり、描きやすくなるためです。
ケント紙や普通紙でももちろん描くことは可能ですが、滑りが良すぎるので濃淡がつきにくい点があります。
鉛筆
鉛筆には種類があり、10Bから10Hまでの22種類があります。
Bの付くものは濃くやわらかい芯、Hが付くものは薄くかたい芯です。
数字が大きければ大きいほど濃くなります。
すべての種類を用意する必要はありませんが、デッサンはモノクロの絵なのでさまざまな濃淡を表現するために鉛筆は数種類用意してあると描きやすいです。
消しゴム(ねり消し)
練り消しは自分の好きな形にこねて成形できるメリットがあります。
細く尖らせて使えば「白い鉛筆」のようにハイライトとして使えます。
また消しカスが出ないので便利です。
対象物のモチーフ
初心者におススメなのは、シンプルな形の物です。まずは丸いボールや直方体、積み木などで形をとらえる練習がよいでしょう。
どこでなにをデッサンをするか
道具がそろった後は、「どこ」で「なに」を描くか決めましょう。
大きく分けて紹介すると「どこ」は室内か、野外か。
「なに」は静物画か、風景画なのか、という風に区別できます。
野外の場合は主に風景画になります。
日照時間や天気などに左右されますが、日の光や風など視覚以外の刺激を受けながら絵が描けるのは野外デッサンの醍醐味です。
影の色や光の色も、室内で見るのとは違った見え方で描けます。
室内の場合は主に静物画に向いています。
日の傾きに左右されないことで、じっくりとモチーフが観察できます。
野外で描くことに抵抗がある人も始めやすいでしょう。
完成した絵を観察してみよう
完成した絵を観察することも大切です。
モチーフの形や質感は表せているか、光の向きや影の形が正しく描けたか、モチーフと見比べてみましょう。
サイズ感や立体感が上手く描けなかった場合
上手く描けなかった場合は、どこが原因なのかをきちんと確認してみましょう。
形が違う場合は、そのものの形をきちんと頭の中でイメージできなかったのかもしれません。
質感が違う場合も同じでそのものの質感をイメージできていないのかも。
質感は物を触ることで感覚を掴むことができます。
触れるものであれば、デッサンを始める前に積極的に触れて観察してみましょう。
上手く描ければデッサンをイラストに応用できる
上手く描けた場合は、そのままイラストを描く時に応用することができます。
風景画であればデッサンしたものをトレースして線画として使用できますし、スキャナを使えばそのまま下絵としてイラストを描くことができます。
静物画も同じようにトレースやスキャンをすればイラストの中に組み込むことができます。一度しっかりとデッサンをして陰影や形を描いた後であれば、1から描く時も描画しやすいはずです。
デッサンは難しくない
デッサン、と聞くとなんとなく「難しそう」「イラストを描く時に本当に必要なのかな?」と言う印象がありますよね。
けれど多くのイラストレーターや作家が口を酸っぱくして薦めるように、デッサンにはデッサンでしか得られない効果がいくつもあります。
デッサンが必要な理由、デッサンをしたことで得られるスキルがはっきりと理解できれば「今日からやってみよう!」と感じられますね。
デッサンは難しいものではありません。今日からスタートしてみませんか。
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