ミツ蜂先生にインタビュー!学生作家で活躍する商業の世界
美術大学に進学し、学業との並行で商業でのイラスト制作活動を行われている、ミツ蜂先生。
大学では立体物の制作を選考されており、絵作りに関しては独学で学ばれてきたと伺いました。お仕事は現在、MVイラストをメインに制作されていらっしゃいます。
ここではミツ蜂先生から普段の制作活動や影響を受けた作家様など、幅広い内容について伺いました。これからイラスト・マンガ制作を上達されたい方はぜひ参考にしてみましょう!
ミツ蜂先生にインタビュー!ご経歴~普段の制作活動まで
曲の看板となるMVイラストを描くために気を付けていることや意識されていることはありますか?
ミツ蜂先生:あとは、クライアントの方が絵を選択できるように数案カラーの構図案をお渡ししています。
アーティストさんだとサカナクションや、笹川真生さん、宇多田ヒカルさんが好きです。ボーカロイド楽曲も頻繁に聴きます。
ミツ蜂先生は大学では立体物をメインとした分野を専攻されているとお聞きしました。イラストレーターとしてご活動される中、立体系分野を選択された理由やきっかけなどはございますか?
絵を描く仕事がしたいといつから思い始めましたか?ご家族や周囲の反応などあれば合わせてお願い致します。
ミツ蜂先生:その後も心の片隅におきながら生活をし、明確な目標に変わったのは大学生になってからです。
家族の反応はありがたい事に学生である今のうちは応援してくれています。ですが卒業して職につく年齢になった時に同じ反応をしてくれているかはまだ分かりません。
最初に受けられたお仕事はどのようなものでしたか?またお仕事をしてみて驚いたことや新鮮だったエピソードもあわせてお教え下さい。
ミツ蜂先生:カバー楽曲イラストを自由に描いてくださいとのご依頼だったのですが、自由とは全ての責任を自分が持つということで、
それがこんなにも頭を使うことなのかと驚いた記憶があります、1ヶ月くらい制作期間をとっていました。
影響を受けた作家さまや、絵を描くきっかけとなった人物はいますか?また出会ったきっかけもあわせてお願い致します。
ミツ蜂先生:その中でも初めて絵に惹かれて行動を起こしたイラストレーターはスカイエマ先生です。
中学生の時、小説を初めてジャケット買いしました。その後画集を購入して模写していました。
他にも同世代のイラストレーターの活躍にはかなり刺激を受けています。特におくというイラストレーターに出会った時は衝撃的でした。インパクトのある構図にしっかり描かれた描写、全てが洗練されていてプロフィールを見ると自分と同じ年齢で。そこで自分の現状の立ち位置を自覚する事ができました
現在の作風に影響を受けているのは川瀬巴水という浮世絵画家だと思います。
幻想的な少年少女のイラストを多く制作されておりますが、配色の組み合わせや色選びのコツなどをお教え頂けますか?
ミツ蜂先生:あとは暖色と寒色の差をイラストに使うことが多いです。緑だったらオレンジ、青だったら赤、など…浮世絵に惹かれるのは、そういった鮮やかな色を美しく見せるための配色や比率に魅せられての事だと思います。
イラストレーターや漫画家に憧れる方が多い中、プロになる前のミツ蜂先生はどのような活動やアプローチをされましたか?
作品の完成度を高める仕上げのノウハウや、コンセプトなどお聞かせ頂けますか?
魅力的な絵を描くためのコツや、おすすめの上達法ってありますか?
ミツ蜂先生:あとは、常にアンテナを張っておくと楽しく自分の描きたいものを知れるかもしれません。
ああ、あの雲はあのブラシで描いたら良さそう。この映画のシーンかっこいいな。この靴の配色きれい。ここから見る景色きれいとか。日常生活で自分がなにを好きを思うか知るのも大事な事だと思ってます。
イラストの中でも特にこだわり抜いて描きたいと感じる、フェチ的な部分はございますか?中でも思い入れが深い作品などございましたらお教えください。
絵を描くのに悩んだりつまづいたりしたご経験はありますか?どのように逆境を乗り越えたかもあわせてお願い致します。
ミツ蜂先生:意地でも描かなければいけない時は、今まで描いた絵を並べて一度自分が描いたことは忘れて次にどんな絵が来そうか考えます。
「次にどんな絵が来そうか」という言葉から、ミツ蜂先生の作品は1枚1枚が一連のストーリーで繋がった連作になっているのでしょうか?
ミツ蜂先生は1枚の作品をつくるのにどれくらいのペースで描き上げられますか?構想やアイデア、線画、塗りでそれぞれ何時間~何日くらいか教えてください。
ミツ蜂先生:構想、アイデアは頂いた時から何日間かやんわりと考えて、2、3案構図が決まったら一気に色ラフを1時間くらいで描きます。
構図を相手に選んでもらった後はレイヤー分けやベタ塗りやらで20時間くらいかけます。描き込みすぎると当初の見せたかったポイントが離れていってしまうので、
1日2日の短期間で仕上げずに数時間描いたら描く事を止めて日数を置き、冷静になる時間を入れて作業しています。
よろしければラフと完成後のイラストをお見せいただいてよろしいでしょうか。また今回ご提供いただいたイラストの見せたいポイントやこだわった箇所をお教え下さい。
仕事で使われている道具や機材、作画環境を教えてください。
ミツ蜂先生:PC Mac book pro 13インチです
PCはたまにフォトショップで加工する時に使います。メインで使用しているのはiPadです。(万全の環境でないと感じているのであまり参考にはならないかもしれませんが…)
iPadで作画をされる際の利点や、お仕事をする上で揃えておくと良い機材などあればお教えください。
ミツ蜂先生:それ以外の機材はあまり触れた事がないのでよく分かっていませんが、フォトショップは仕事上あった方がいいなと感じます。
レイヤーを結合しない状態で加工がかけられますので…最近はレイヤー制限のあるプロクリエイトに限界を感じ始めているので液タブを購入しようか検討しています。
それと、iPad、スマートフォン、パソコン、同じ絵でも色味が若干違って見えると思うのでどの端末でいいと思った絵を採用するか基準を決めるといいかもしれません。
私の場合は覗き見防止シートがかかったスマートフォンで見て一番いいと思った色を選んでいます。
過去のミツ蜂先生にご質問です、絵の練習をしたいと思い立った時にもし身近に頼れる先生やプロがいたら何を教えてほしいですか?
弊社は個別指導のイラスト・マンガ教室を運営しているのですが、個別指導で一人づつの課題に対して提案や指導が受けられるスクールについてどう思いますか?
ミツ蜂先生:イラストは本当にいろんなジャンルがありますし…。例えば使われる様なイラストを描きたい派と画集を販売したり作家っぽく活動したい派とあると思うのですが、使われたい側の人は客観的な視点が大事になってくると思うので尚更いいと思いますし、
作家派の人も自分のテーマを軸に技術的な話を聞けばいいと思うので、その人が求めている技術を臨機応変に対応してもらえるというのは本当にいいことだと思います。
今後の活動について、やってみたいことや目標はありますか?またミツ蜂先生のようにプロの作家を目指す皆さんへメッセージやアドバイスをあわせてお願いします。
ミツ蜂先生:まだまだ私は駆け出しで、将来の悩みも多くあります。絵について悩んでる人がいたら、少しでも参考になれば嬉しいです。