顔のアタリの描き方習得で顔イラストは上達できる!顔がゆがむ原因はアタリ
この記事はイラスト・マンガ教室egacoの講師(イラストレーター・マンガ家)が商業制作などで磨いた知識や技術をもとに作成しています。より自分の描きたいものに合わせた内容を知りたい方は、egacoでの個別指導レッスンの受講をおすすめします。
でもどう描いたらいいのかわからない、なんて初心者の方や
練習しているけど納得のいく顔の形にならない、なんて方もいると思います。
では「アタリ」をご存じでしょうか?ご存じの方も、そうでない方もいると思います。
アタリとは、人や建物など全てのものを描く上で、形を迷わずバランス良く描くためのガイドのようなものです。
絵の初心者や練習中の人にとって、アタリを描くことは理想の絵を描くための道しるべとなります。
ここで顔のアタリの描き方を知り、自分の描きたい顔が描けるように一歩前進しましょう!(体のアタリについてはこちら)
顔のアタリはなぜ描くの?アタリについて理解しよう
- POINT 顔のアタリはなぜ描くのか
- 顔のアタリを描くとイラストのゆがみに気づきやすく、より違和感のない整ったイラストが描きやすくなります
- POINT パーツのずれもしっかりわかる
- パーツのずれも明確にわかるため描きたい顔に近づけます
具体例で説明!アタリでゆがみを発見しよう
これは正面から見た斜め向きの角度の顔です。
この顔のイラストにはゆがみがありますが、どこか分かりますか?
ゆがんだ箇所が分かった人は、そのゆがみを人にどう説明しますか?絵に線を引いて説明することを想像してみてください。
こんな風に、左右の目を比べられるよう真っすぐ線を引くとわかりやすいですね。
この線がアタリです。
目で見て絵の歪みに気づけなかった場合も、アタリを描けば顔のゆがみを確認できます。
以下のように、顔の左右対称になっているいくつかのパーツを真っすぐ線でつなぎ、その線同士が平行ならば顔はゆがんでいません
眉、瞳、口の端などが左右対称の顔のパーツです。
このように顔のパーツの位置を揃えるために、平行線をたくさん引くことを「アタリを取る」と言います。
描きたい顔によってアタリの取り方を変えよう
じつは顔のアタリの形には「こうやって描く!」という決まりはありません。
なぜなら、描きたい絵によってアタリの形は変わるからです。
絵柄によってアタリのバランスが変わるのを、以下のイラストでよく見比べてみましょう。
たとえば、ネットで見かけたアタリの描き方をそのまま真似て使っても、顔のバランスがなんか悪くなる……なんてことがあります。
そういうときは、自分の絵にそのアタリが合っていないかもしれません。
目の大きい美少女イラストを描きたいのに、リアル系のイラストのアタリを使ったら思ったような顔のバランスにならないのは当然です。
自分の描きたいような理想のイラストがあったら、そのイラストの顔のアタリはどんな形だろう?と
よく観察して研究するのが良いでしょう。そして見つけたアタリの形をよく覚えて自分のイラストに使えるようになれば、理想のイラストにグッと近づくはずです。
初心者にはよくある顔のアタリがおすすめ
顔のアタリの形に決まりは無いといっても、じゃあどれにすればいいの?と迷ったら、まずはよく使われているアタリで描くことをおススメします。
よくあるアタリの形には以下のようなものがあります。
アタリはだいたい顔の大きさや頭の丸さを示す円と、目の高さを示す横線、顔の中心を示す縦線の組み合わせであることがほとんどです。
顔のアタリの男女の描き分け
男女でもアタリの描き分けができます。
むしろ、描き分けをしないと男性は男性らしい顔に、女性は女性らしい顔にならないことがあります。
アタリのバランスを男女で比べてみましょう。
このように、男性は顔の円を縦に長く目の高さも高めに、女性は円の縦をやや短く目の高さも男性より低めに設定すると良いでしょう。
男女の顔の描き分けでは、りんかくの形も大きく影響します。詳しくはりんかくの描き方についての記事をご参考ください。
アタリに合わせて顔を描くことが大事
アタリが正しく描けていても、それに合わせて顔が描けていなくてはアタリの意味がありません。
アタリに沿って顔のパーツをそれぞれ正しく配置しましょう。
アタリに沿った目の配置の方法については、目の描き方ガイドでも詳しく解説しています。
また、斜め向きの顔の描き方、アタリの考え方については、以下の記事で詳しく解説しています。
アタリを描いても顔が歪む!よくある原因3つ
アタリも正しく描けているはず、顔のパーツもしっかり描いてみた!けど顔が歪んでしまう……そんなときには原因が3パターンあります。自分の描いたイラストを観察しながら原因を探りましょう。
アタリの形が正しく描けていない
1つめは、そもそもアタリの形が上手く描けていないパターンです。
アタリは単純な形をしていますが、それゆえに気が抜けません。アタリに歪みがあれば絵全体の歪みに繋がります。
何度もアタリを描いてから絵を描いているのに顔が歪んでしまう、という方はまずアタリを正確に描く練習をしましょう。
とくに斜め向きの顔のアタリを描くときは、立体感の意識も大切になってきます。
立体感を意識するために効果的な練習方法はデッサンです。
また、他の人に自分の描いたアタリを見せて歪みがあるかどうか確認してもらう等、客観的に見てもらうのも良いでしょう。
顔のパーツの位置がズレている
2つめは、アタリに対して顔のパーツが正しく配置できていないパターンです。
アタリが正しく描けていても、それを無視して適当にパーツを描いてしまっていては本末転倒です。
アタリを描いたら目の高さ線には瞳の中心を合わせる、鼻や口の真ん中は縦の中央線に揃える等、アタリに合わせてパーツを正しく置く意識をしましょう。
顔のパーツの形が歪んでいる
3つめは、顔のパーツそのものが歪んでしまっているパターンです。
アタリが正しく描け、良い位置に配置できても形自体が歪んでいてはバランスが悪く見えます。
とくに正面顔のときは、目や眉など左右対称のものをしっかり同じ形に仕上げましょう。
斜め顔のときは目や鼻などそれぞれのパーツの立体感が変わってくるので、顔の角度に適した形で描いてあげましょう。
おわりに
顔はキャラクターの命です。見本を見ているだけだったり、記事を読んで理解したつもりでも、それだけでは絵は上手くなりません。
実際に描いてみて、上手く描けなかったらまずはその原因をよく探りましょう。
上達への第一歩は絵の違和感に自分で気づくことです。そして違和感に気づいたらそのままにせず、どう直したらいいかを考えてみましょう。答えが見つかり、どう直せばいいかわかったら自然と上達していくはずです。
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