【5大属性+】エフェクトの描き方・コツをイラストで解説
この記事はイラスト・マンガ教室egacoの講師(イラストレーター・マンガ家)が商業制作などで磨いた知識や技術をもとに作成しています。より自分の描きたいものに合わせた内容を知りたい方は、egacoでの個別指導レッスンの受講をおすすめします。
エフェクトとは、英語で「効果」や「影響」を意味する言葉です。
コミックイラストでは炎や雷、キラキラした光の効果などのことを指します。
エフェクトの種類は色々ありますが、エフェクトを使うことでキャラクターがよりかっこよく、かわいく見えたりし、イラストの魅力がグンとアップします。
もうワンランク上の表現のイラストにしたいときは、是非エフェクトを描くことに挑戦してみましょう!
属性別にエフェクトの描き方手順・コツを解説
炎エフェクトの描き方・コツ
炎の形は楕円の組み合わせでアタリを描くと自然な形になります。
アウトラインは曲線で描き、ゆらゆらとした先端から少し途切れた炎も描くと動きが出ます。
基本の炎エフェクトを描く手順
- 縦に長い楕円を重ねて炎のアタリをつくります。このとき、炎の根元の楕円を大きくし、先端に向かうにつれだんだんと小さく描いていくのがコツです。アタリの全体は真ん中で分けた時に左右非対称になるようにしましょう。
- アタリに沿うように炎の形を描いていきます。先端は尖った形で、ゆらゆらとやわらかいアウトラインで描くとよいでしょう。アタリの形そのままに描くと硬い印象になるので、ところどころアタリからはみ出してもOKです。
- 色を決めるときは、炎の色の層をつくりましょう。赤い炎の根元は明るい黄色になります。
炎の先端に途切れた炎を描くと動きが出ます。
動きのある炎エフェクトを描く手順
- 楕円を細長く、動く方に向けて配置します。
- 楕円のアタリに沿って炎の形を描きます。
このとき炎のゆらめきも細長く描いたり、途切れた炎のカケラも描くとより動いている感じが出ます。
勢いのある炎を描く手順
- 大きめな楕円をランダムに配置します。楕円の方向は炎の根元の方に揃えると良いでしょう。
- 楕円のアタリに沿って炎の形を描きます。
爆発しているような勢いのある炎を描く時は、炎のゆらめきをトゲトゲとしたシルエットで描くと勢いが出ます。
雷エフェクトの描き方・コツ
雷は長い直線と短い直線の組み合わせでアタリを描くと、鋭くて強そうな雷の形になります。
全体的にまっすぐな形にせず、ジグザグなシルエットで描くと良いでしょう。
基本の雷エフェクトを描く手順
- 一辺の長さがランダムなジグザグを描きます。
- ジグザグに合わせて雷の形を描きます。
このとき、雷は同じ太さで描かず角になるところを少し太く描き、鋭いトゲも描くとバチバチとした印象になります。 - 太い雷から細くてジグザグした小さい雷を、枝分かれのように描くと自然な形になります。
またジグザクの形や、ところどころに小さい破裂のような電気のかたまりを描くことで雷の表現にも変化をつけられます。
鋭い雷エフェクトを描く手順
- アタリのジグザグを単純な形にします。
- アタリに反って雷の形を描きます。強く勢いのある雷は太めに描くのがコツです。
バチバチした雷エフェクトを描く手順
- ジグザグとしたアタリを描き、角になるところに円でアタリを描きます、
- 円のアタリの中心から放射状にトゲを描くと破裂したような形になり、バチバチとした表現になります。
風エフェクトの描き方・コツ
風のエフェクトは長くなめらかな曲線をアタリにして描きます。髪の毛の毛束のように線を重ねて描くことで、質量のある風の表現ができます。
基本の風エフェクトを描く手順
- まず風の流れをアタリ線を描いてつくります。
- アタリ線にそって線を重ねたような形で風の形を描いていきます。
髪の毛の毛束のように、先が細くなるように描くときれいな形になります。また、カーブの強いところはリボンのように表と裏の面が変わるのを意識して描くと良いでしょう。 - 色を付けていきます。外側より内側の色を明るくし、裏側が見えるところは影をつけるようにやや暗めの色にすると立体感が生まれます。
アタリのカーブの曲がり具合や風の線の描き方で、風の強さや絵の雰囲気に変化をつけられます。
風の強弱のつけ方
- アタリのカーブが弱いと風の勢いが強く見えます。
逆にうねったようなカーブの強いアタリで描くとそよ風のようなゆったりとした風が描けます。 - 色を付けていきます。風の線の描き方や色で印象が変わるので、自分の描きたい風の形になるよう色々試してみましょう。
和風の風の描き方
- うねうねとしたカーブの強いアタリを描きます。カーブの強いところがそれぞれ似たような形になるのがコツです。
- 色を付けていきます。和風の風の表現は平面的なものが多いので、表や裏の意識がなくてもOK。
水エフェクトの描き方・コツ
水の形は量や動きの速さによって大きく変わります。ゆっくりと動く水は楕円を組み合わせたような形に。速い動きの水は長細い楕円を組み合わせたように描き、風エフェクトのように動きの流れを作ると良いでしょう。
基本の水エフェクトを描く手順
- 風エフェクトのように動きの流れを線のアタリで描いてから、それに沿うようにして楕円のアタリをつけていきます。
動きのはやいとこは楕円を細長くし、動きのゆったりしたところは楕円を丸に近い形にするのがコツです。
また水のかたまりを一部につくることで、エフェクト全体の動きにリズム感が生まれ、より躍動感が増します。 - アタリに反って水の流れを描いていきます。炎エフェクトを描くときと似ていますが、ゆらめきの先端は丸く描き、小さい丸で水滴も散らすとより水らしい形が描けます。
- 色を付けていきます。水も同系色を数色使い、明暗を表現できると立体的になります。
また水滴を散らすだけでなく水の塊を一部につくることで、エフェクト全体の動きにリズム感が生まれ、より躍動感が増します。
水にスピードをつけるには
- 水のアタリの円の太さを変えることで動きの速さの違いが表現できます。
楕円の向きは風の向きや動きの向きに合わせて揃えましょう。 - アタリに合わせて水を描きます。
勢いのある水を描く手順
- 水の「溜まり」や、一点から放射状になるようアタリの楕円を配置することで水の動きに強弱や勢いがつきます。
- アタリに沿って水を描いていきます。ところどころ輪っかの形にしたり、水滴を多く描くことでより動きのある水の形になります。
もっと詳しく水エフェクトの描き方を知りたい方は下記の記事もおすすめ
煙・砂埃エフェクトの描き方・コツ
煙や砂埃など気体のもくもくとしたエフェクトは風の流れのカーブと、色々な形の円の組み合わせでアタリをつくり描いていきます。
基本の煙エフェクトを描く手順
- 風の流れのアタリをカーブで描き、それに沿って煙のアタリを楕円で描きます。
楕円は大きさも長さもバラバラにすることがコツです。風の流れが速いところは楕円を細長く、遅いところは丸くすると良いでしょう。 - アタリに沿ってモクモクとした形を描きます。風の流れの速いところは筋雲のようにカーブを使い、細長い形で描きましょう。
- 色を付けていきます。光源の方向を意識し、影と光を塗り分けていきましょう。
ゆらゆらと立ち上る煙エフェクトを描くには
- 立ち上る煙の流れを曲線で描きます。このとき根元のカーブはひかえめに、上にいくにつれカーブをだんだん強くすると良いでしょう。
楕円でアタリを重ねれば、よりゆらめきの強い煙の形になります。 - 辺りに沿って煙の筋を描きます。何本かの線が密集しているようなイメージで、ところどころほつれて穴が開いたり、途切れた煙を描くと動きがでます。
勢いのある煙エフェクトを描く手順
- 周りの環境に対してどこの風が速く流れていて、どこに空気が溜まっているかを考えながら風の流れのアタリを描いていくと動きのある自然な形になります。
風が速く流れているところはアタリを直線的に描き、空気が溜まるところは曲線か楕円でアタリを描くと良いでしょう。 - ②アタリに沿って形を描いていきます。風が強いところはほぼ直線で描いて良いでしょう。
煙エフェクトは風の流れ方によって形が変わるため、どこに風が強く吹いていて、どこに空気が溜まっているかを考えながら描くことがコツです。
光エフェクトの描き方・コツ
光エフェクトは太陽や電気などの発光体、光っている杖や魔法陣などファンタジーな表現でも使われます。
発光体の中心を点とし、その点から放射状に線を描いたり、中心を同じくする円を発光体の周りに描きます。
ギラギラと強く輝いている場合は、とげとげした線をたくさん描くと良いでしょう。
また、発光体は輪郭線が見えにくいため、アウトラインを明るい色にするとより発光感が出ます。
キラキラエフェクトの描き方・コツ
キラキラエフェクトはイラストを豪華に見せたいとき、キャラクターの魅力をアップさせたいときに有効です。
キラキラとしたエフェクトの形には色々なパターンがあります。
キャラクターや世界観に合わせた形を描くのが良いでしょう。
また、エフェクトのトゲの向きは全体で統一させると自然です。
ほわほわエフェクトの描き方・コツ
ほわほわエフェクトはロマンチックで幻想的な雰囲気や、和やかな雰囲気を出したい時に有効なエフェクトです。
大きさを変えた発光体のような円形を組み合わせて描くことができます。
ほわほわエフェクトには大きく分けて、色で塗りつぶした円形のものと、中をくりぬいたような輪状のものがあります。
エフェクトの配置方法の基本・コツを解説!
では実際にエフェクトを描くにあたって、キャラクターに対しどの位置に描いていけばいいのか、
どういうシルエット(全体の形)で描いていけば良いのかを解説していきます。
動線タイプでキャラクターに動きを出そう
キャラクターや物の動きの流れに沿ってエフェクトを描く方法で、キャラクターや物に躍動感を出したいときに効果的です。
放射・集中タイプで迫力を出そう
一点から放射状、または一点に向けて集中するようにエフェクトを配置する方法です。
漫画の集中線のような効果があるため目立たせたい部分に視線を誘導することができ、構図に迫力を出すのにも有効です。
円形タイプでダイナミックに
キャラクターの周りを奥行きのある円状、または渦を描くようにエフェクトを配置する方法です。
キャラクターとエフェクトに前後感が生まれるので、画面に奥行きが出ます。
エフェクトのメリット・効果を理解して使おう
イラストの世界観はキャラクターの衣装や持ち物、背景で表現ができますが、エフェクト一つでも世界観の表現できます。
では作例をもとに、エフェクトを描くとなぜイラストの魅力がアップするのかや、エフェクトのメリットを紹介します。
エフェクトであっという間に世界観が作れる
たとえば、ただの学生服を着てポーズを決めたキャラクターでは普通の学園モノの学生に見えますが、
手に炎のエフェクトを追加すれば「炎の異能力で戦う学生」にキャライメージがガラっと変わり、
ただの学園モノから「異能力を持つ人間のいる世界」へと世界観が変わります。
エフェクトでキャラクターに動きが出る
また、エフェクト一つでただのキャラクターイラストにより動きを出せます。
たとえば剣を振るポーズのキャラクターのイラストに、剣の軌道のエフェクトを描くことでより動きのあるイラストにできます。
静止ポーズにもエフェクトで躍動感がでる!
また、静止しているようなポーズでもエフェクト自体に動きを出すことで、躍動的な絵づくりにすることもできます。
ただの静止画のようなイラストより、動きのあるイラストのほうが迫力も出て見ごたえのあるイラストになるでしょう。
デジタルの技法でエフェクトをもっとかっこよく
炎や雷、光、キラキラエフェクトなどの発光しているエフェクトは、「グロー効果」のようなデジタルの技法でより発光感を加えられます。
グロー効果とは以下の手順のように、発光させたいもの(素材)を複製し色を変えて重ね、それをぼかして合成モードを変えることで発光感を出す効果です。
その他イラストの仕上げに使える効果は下記の記事も参考にしましょう
エフェクトにはたくさんの種類がありそれぞれ描き方が違うため、描くのが難しく感じるかもしれません。
しかし、キャラクターイラストにエフェクトを描くことで、イラストの世界観が広がったりキャラクターに動きが出て、より魅力的なイラストが描けるようになれます。
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