グリザイユ画法で塗る手順を解説!基礎知識から描き方メイキングまで
![グリザイユ画法で塗る手順を解説!基礎知識から描き方メイキングまで](https://comic.smiles55.jp/wp-content/uploads/2021/10/grisaille01.jpg)
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グリザイユ画法という塗り方を聞いたことがあるけど、いまいちどういう塗りか分からない。
試してみたいけど、やり方が分からない…そんな方も多いのではないでしょうか?
グリザイユ画法を描くには、グリザイユ画法の独特な手順やレイヤー設定をしっかり理解することが大切です。
この記事ではグリザイユ画法の基礎知識からメイキングまでご紹介します。これを読めばあなたもきっとグリザイユ画法で塗れるようになるはずです。
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グリザイユ画法とはどんな塗り方?
![グリザイユ画法の特徴と違い](https://comic.smiles55.jp/wp-content/uploads/2021/10/grisaille02-1024x683.jpg)
グリザイユ画法とは、影と色味を同時に塗っていく通常の塗り方とは違い、最初にグレースケール(灰色)で陰影だけを塗り、後からオーバーレイで色を乗せていく技法のことを言います。
厚塗りと相性が良く、ソーシャルゲームでよく目にするような、重厚感のある厚塗りが比較的短時間で塗れるのが特徴です。
![egaco](https://comic.smiles55.jp/wp-content/uploads/2021/03/egaco.png)
- POINT グリザイユ画法と厚塗りの違いは?
- 厚塗りのカラーイラストを立体的かつ手早く描くための技法が グリザイユ画法です。通常の厚塗りの場合は陰影と色味を同時に考えながら塗っていきますが、グリザイユ画法では陰影の描き込みと着彩の工程を別々に行います。
グリザイユ画法のメリット・デメリット
- 陰影と色味を分けて塗るれるため、色味に惑わされずに物体の陰影に集中して色を塗れる
- 立体感のあるイラストが描きやすくなる
- 完成形が想像しづらく、作業に慣れが必要
- グレースケールで陰影を描く作業は立体を把握できないと難しいため、厚塗りが既にある程度できる方向け
グリザイユ画法で実際に描いてみよう
グリザイユ画法がどんな塗りなのか分かったところで、早速グリザイユ画法を使ってイラストを描いてみましょう。
手順1:グレースケールでイラストを描こう
![グレースケールで描いたイラスト](https://comic.smiles55.jp/wp-content/uploads/2021/10/grisaille03-1024x683.jpg)
グレースケール(灰色のみ)でイラストを描きましょう。
塗り方は厚塗りがおススメです。
![厚塗りの描き方・やり方コツを解説!クリスタ初心者にもおすすめ](https://comic.smiles55.jp/wp-content/uploads/2021/06/image21.jpg)
![影の付け方・塗り方講座!影の種類を知って立体的な絵を描こう](https://comic.smiles55.jp/wp-content/uploads/2021/09/Shadow01.jpg)
グリザイユ画法でグレーのイラストを描くときの注意点
![グリザイユ画法でグレーのイラストを描くときの注意点](https://comic.smiles55.jp/wp-content/uploads/2021/10/grisaille04-1024x683.jpg)
グレースケールでイラストを描く際に、色が暗過ぎても明るすぎてもオーバーレイで色が綺麗に乗らなくなるため、真っ黒や真っ白(またそれに近い色)は使わないようにしましょう。
ベースのグレーは最も色味が乗りやすい濃度40~50%に設定するのがおススメです。
そのため、色味の明るいハイライトなどは後から別で描き足すことになります。
グレースケールでイラストを描く段階では、髪の毛や瞳などにハイライトは入れないように注意しましょう。
手順2:発色をよくする下地レイヤーを作ろう
グレースケールのイラストが描けたら上からオーバーレイのレイヤーを作り、色を乗せていきます。
![下地レイヤーを作らず発色が悪い例](https://comic.smiles55.jp/wp-content/uploads/2021/10/grisaille05-1024x683.jpg)
ただし単純にオーバーレイでパーツの色を上から乗せると、グリザイユ画法独得の色のくすみが出てしまいます。
そのため、発色をよくする下地のレイヤーを作る必要があります。
下地のレイヤー設定をしよう
![下地レイヤーを設定する](https://comic.smiles55.jp/wp-content/uploads/2021/10/grisaille06-1024x683.jpg)
- 手順1で描いたグレースケールのイラストの上に2枚レイヤーを作ります。
- どちらのレイヤーもレイヤーモードを「オーバーレイ」にします。
- レイヤーの名前も「下地・赤色」「下地・青色」など分かりやすいように変更しておきましょう。
![egaco](https://comic.smiles55.jp/wp-content/uploads/2021/03/egaco.png)
赤と青の色味を乗せよう
![赤と青の色味をイラストに乗せた例](https://comic.smiles55.jp/wp-content/uploads/2021/10/grisaille07-1024x683.jpg)
先ほど作ったレイヤーにそれぞれ肌や暖色系のパーツには赤色を、寒色系のパーツには青色を塗ります。
この時に明るい赤色や青色で塗ってしまうと、上からパーツの色を更にオーバーレイ重ねた時に色が白く飛んでしまいます。
そのため、上の図のようにくすんだ赤色や青色で塗ってあげるか、もしくは明るい赤色や青色で塗った後にレイヤーの透明度を10~20%程度に下げてあげるといいでしょう。
赤色と青色の下地レイヤーは同一のレイヤーに塗っても構いませんが、上からパーツの色を重ねた時に色調補正機能で色味の調整をしやすいため、別々に作っておくのがおススメです。
手順3:各パーツの色を塗っていこう
下地レイヤーが塗れたら上からパーツごとに色を塗っていきましょう。
![各パーツの色を塗ったイラスト](https://comic.smiles55.jp/wp-content/uploads/2021/10/grisaille08-1024x683.jpg)
- 先ほど作った赤色と青色の下地のレイヤーの上に、パーツ(色)の数だけ新規レイヤーを作ります。
- レイヤーモードをオーバーレイに設定します。
- 分かりやすいようにレイヤーの名前を変更しましょう。
- レイヤーごとにパーツの色を塗っていきます。
![グリザイユ画法の下地レイヤーのあるなしを比較](https://comic.smiles55.jp/wp-content/uploads/2021/10/grisaille09-1024x683.jpg)
赤色と青色の下地の上に各パーツの色味を置いたことで、グリザイユ画法特有の色のくすみが消え鮮やかな色で塗れました。
手順4:色を塗りこんでニュアンスをつけよう
各パーツの色が塗れたら新規レイヤーを作成し、更に細かなニュアンスを塗りこんでいきます。
![色を塗り込んでニュアンスをつけたイラスト](https://comic.smiles55.jp/wp-content/uploads/2021/10/grisaille10-1024x683.jpg)
- 描きこみたいレイヤーの上に新規レイヤーを作成します。
- 下のレイヤーにクリッピングのアイコンをクリックします。(クリッピングマスクの詳しい説明はこちら)
- レイヤーモードを確認しましょう。デフォルトの「通常」のままで大丈夫です。
- 分かりやすいようにレイヤーの名前を変更しましょう。
- 細かいニュアンスを加筆していきます。
![グリザイユ画法の塗り込みの工程を解説](https://comic.smiles55.jp/wp-content/uploads/2021/10/grisaille11-1024x683.jpg)
上の図のように、この作業を行うことによりイラストの色がさらに複雑になります。
また、ここから更に色味を鮮やかにしたい場合は「ソフトライト」モードのレイヤーを上に追加するのがおススメです。
![「ソフトライト」モードのレイヤーを上に追加したイラスト](https://comic.smiles55.jp/wp-content/uploads/2021/10/grisaille12-1024x683.jpg)
![新規レイヤーに色をおいたイラスト](https://comic.smiles55.jp/wp-content/uploads/2021/10/grisaille13-1024x683.jpg)
新規レイヤーを作成し、レイヤーモードを「ソフトライト」に変更したうえで色を置いてあげると良いでしょう。
手順5:通常レイヤーでハイライトの追加と仕上げをしよう
![通常レイヤーでハイライトの追加と仕上げをしたイラスト](https://comic.smiles55.jp/wp-content/uploads/2021/10/grisaille14-1024x683.jpg)
最後に仕上げとしてレイヤーの一番上に「通常」レイヤーを作り、ハイライトや細かな描き込みを描写し全体を整えます。
仕上げ作業を丁寧に行うことによりイラストのクオリティをぐっと上げられます。
グリザイユ画法でイラストが完成!
![グリザイユ画法で完成したイラスト](https://comic.smiles55.jp/wp-content/uploads/2021/10/grisaille15-1024x683.jpg)
背景を足して、これでイラストができました!
応用編:グリザイユ画法のアレンジを知ろう
![グリザイユ画法で作画したイラスト](https://comic.smiles55.jp/wp-content/uploads/2021/10/grisaille16-1024x683.jpg)
上のイラストもグリザイユ画法で描かれたものですが、塗り方の手順が少し違います。
グリザイユ画法はいろんなアレンジがある画法です。
![グラデーションマップのありなしの比較](https://comic.smiles55.jp/wp-content/uploads/2021/10/grisaille17-1024x683.jpg)
最初に紹介した手順ではグリザイユ画法特有の色のくすみを取るためにオーバーレイで赤色と青色の下地を作りましたが、図のようにグレースケールで描いたイラストにグラデーションマップをかける事で代用が可能です。
他にもグラデーションマップだけで色を付けるグリザイユ塗りのやり方もあります。
グリザイユ画法での色塗りに慣れてきたら、是非色々なアレンジにも挑戦してみるといいでしょう。
おわりに
この記事を読んだことでグリザイユ画法での塗り方が分かるようになったはずです。
是非この記事を踏まえてグリザイユ画法にチャレンジしてみてください。
ただしグリザイユ画法は手順が独特なため、最初は上手く色が乗せられないなど思う通りに着彩ができないこともあるかもしれません。
![厚塗り指導・講座](https://comic.smiles55.jp/wp-content/uploads/2021/03/course_02.jpg)
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