ゼロから学ぶキャラデザのコツ!誰かの「推し」になれるキャラクターデザインとは
この記事はイラスト・マンガ教室egacoの講師(イラストレーター・マンガ家)が商業制作などで磨いた知識や技術をもとに作成しています。より自分の描きたいものに合わせた内容を知りたい方は、egacoでの個別指導レッスンの受講をおすすめします。
目次
昨今ではアニメや漫画、ゲーム、Vtuber等、多種多様なキャラクターデザインを目にする機会が多く、自分の一番好きなキャラクターを「推し」と表現して応援する人も少なくないのではないでしょうか。
自分でも誰かの推しになるような、魅力的なキャラクターをデザインしてみたいと思ったことはありませんか?
でもどうやってイメージをキャラクターに落とし込みデザインすればいいのか、悩みますよね。
キャラクターデザインのコツは「手順を押さえてアイデアを少しずつ完成に近づけていく」ことです。
キャラクターのイメージに合う要素を選び、組み合わせることでオリジナリティのある魅力的で特徴的なキャラクターデザインができます。
キャラクターデザインの考え方や詳細な流れを知り、あなただけのオリジナルキャラクターをデザインしてみましょう!
まずは作りたいキャラクターの方向性を決めよう
キャラクターには、ビジュアルから性格、職業や生い立ちまで、様々な設定があります。
まず以下の三つの手順を追いながらアイデアをまとめていきましょう。
- イメージの洗い出し
- プロフィールの詳細や設定を決める
- ビジュアルを決める
最初に作りたいキャラクターの方向性を決めることで、アイデアの整理がしやすくなります。
1.アイデア出しでイメージを洗い出そう
まずは連想ゲームのようにアイデアをたくさん書き出しましょう。
アイデアは組み合わせ次第で様々なパターンが作れて、よりイメージが広がります。
オリジナリティを出すには一つの要素ではなく、複数の要素を組み合わせた構成が重要です。
ワードやイメージ、モチーフを書き出してみると、直接関連しないアイデアやキーワードが出やすくなります。
洗い出した要素の中から、キャラクターのイメージに合うものや組み合わせると面白そうな要素、必要な要素を設定・ビジュアル共に選んで肉付けしていきます。
- POINT
- 直接関係ないかも?と思うキーワードでも、どんどん書いてみましょう! 意外な単語がキャラクターデザインのヒントになるかもしれません。
2.詳細プロフィールを決めてキャラクター像を掴もう
キャラクターの名前や性別、種族、職業、生い立ち、性格等、キャラクターの情報を整理しましょう。
キャラクターの設定から服装や持ち物、表情、仕草等も決まるため、できるだけ詳しく掘り下げます。
性格や生い立ちを決定することでキャラクターの振る舞い等に反映され、職業を決めるとキャラクターの着用する衣装等も決まります。
現代社会を生きる人間なのか、ファンタジーな世界に生きる人外なのか等、世界観も合わせて考えましょう。
特技や趣味、休日の過ごし方といった部分も設定すると、更に物語が広がります。
3.キャラクターの設定に合わせて、ビジュアルの方向性を決めよう
設定したプロフィールやアイデア出ししたキーワードから、キャラクターのビジュアルを構成する要素を考えます。
性格に合わせてビジュアルの方向性を決めることで、より説得力の高いキャラクターデザインになります。
詳細設定をビジュアルに反映させてみましょう。
キャラクターの詳細要素の具体例
キャラクターの性格に合ったコスチュームやデザインを考えましょう。
元気な性格でハツラツとしたキャラクター
- ミニスカートや短いズボン等の開放的なコスチューム
- 遊びのある髪型
人と接するのが怖いキャラクター
- 目立ちにくい落ち着いた色やデザインのコスチューム
- フードや顔を隠すマスクを付けている
また、職業にあわせて仕事の制服の要素をデザインとしてコスチュームに取り入れるのも良いでしょう。
消防士なので消防服、医療従事者なので白衣、料理人なのでコックコート等、職業に合わせた制服を用いることで、キャラクターの設定を一目で分かりやすくできます。
洋服の形は、時代性等も反映します。
中世のようなスタイルや現代服、または近未来的な異素材のコスチューム等、詳細設定に合わせて案を出しましょう。
- POINT
- アイデアが思いつかない場合や、頭の中のイメージをどう表現すればいいか、どんな要素を取り入れたらいいか分からない場合は、モチーフの名前で検索しましょう。 参考資料を集め、そのモチーフらしい要素を抜き出してデザインに組み込みましょう。
イメージカラーやモチーフを決めよう
- モチーフが天使なら羽と天使の輪、イメージカラーは白と金
- モチーフが悪魔ならコウモリ羽と尻尾、イメージカラーは黒と赤
上記のようにイメージカラーやモチーフを決めることで、よりキャラクターから連想するイメージが固まります。
顔や髪型、衣装、持ち物等でビジュアルを構成しよう
集めた資料やアイデアを組み合わせ、ビジュアルのデザインを決定します。
複数の資料や要素を細かく組み合わせることで、他と被らないデザインが確立されます。
おおよそ三案ほど案を出して、その中から一番イメージに合うデザインを選びましょう。
顔の作りでキャラクターの性格を表現しよう
顔つきや表情は、キャラクターの印象を大きく左右する大切な要素です。
気弱なキャラクターであれば、自信がない印象になるように困り眉+ジト目にします。
勝気なキャラクターであれば、強気な印象になるようにツリ眉+ツリ目等にします。
上記のようにキャラクターの性格が伝わるようにパーツを組み合わせます。
プロフィール設定で考えた性格によって、キャラクターの表情や雰囲気が変わります。
キャラクターの設定に合わせて細かく構成していきましょう。
目と眉以外にも、口や鼻の形でもより複雑にキャラクターの顔つきのイメージを変えられます。
組み合わせによって様々なパターンが考えられますので、何通りでも試してみましょう。
- POINT
- 年齢や国籍、ファンタジーな世界観のキャラクターであれば種族の想定もデザインに取り入れてみましょう。 よりキャラクターデザインを差別化できます。
同じベースのキャラクターデザインでもメイクの有無によって印象が変わります。
大人びたキャラクターにしたい場合は、アイシャドウやリップをはっきりと濃くしてみましょう。
特にリップがはっきりと塗られていると華やかな印象になり、大人のイメージを与えられます。
逆に本来の血色感のみにした場合は、ナチュラルでやわらかい印象がキャラクターの幼さに繋がります。
髪型は全体のシルエットに注目してデザインしよう
髪の毛に流れを作ったりボリュームを調整したりすることで、よりキャラクターのシルエットを強調できます。
ロングヘアーやショートヘアー、ミディアム等の髪の長さや、ツインテールやポニーテール等イメージに合わせたヘアスタイルを考えましょう。
ストレートヘアーやウェーブヘアーをはじめとする髪質、前髪のスタイルも合わせて選びましょう。
「キャラクターに個性がない、要素が物足りない」と思う場合は、キャラクターの象徴となる部分を作ることで解決できます。
キャラクターの設定を反映するような頭部の装飾を追加すると、デザインが更に複雑になりオリジナリティが出ます。
中華風アレンジ…お団子とリボンを強調し、片側にだけ三つ編みを足すことで元のデザインから更に差別化しました。
パレード衣装風アレンジ…大きなリボンと飾り帽子、小さなリボンもアシンメトリーにつけることで衣装らしく華やかに。
配信者風アレンジ…ゲーミングセットのイメージでうさ耳付きのヘッドホンとマイク、うさぎのヘアゴムをつけました。
この時も、装飾を含めた頭部のシルエットを意識してみましょう。
ファンタジーな世界観であれば、肉付けしたキャラクターの性質や情報に合わせ、現実ではあり得ない髪型の設定もおすすめです。
髪が燃えていたり、水で出来ていたり自由です。
髪型はキャラクターの個性が出る部分なので、様々なパターンを考案して最適なデザインに決定しましょう!
体型を決めてキャラクターの印象をより詳しく決定しよう
キャラクターの体格は、シルエットや身長、身体的特徴で設定しましょう。
やわらかく柔和な印象…なだらかなラインで構成し、下半身や胸にボリュームを持たせる。
スタイリッシュな印象…肩幅を広めにして、少し骨ばった印象に。腕や足を細くする。
また小柄で華奢であれば幼いイメージ、筋肉質な体型であれば腕っぷしが強くフィジカル重視なイメージと、体格の違いでキャラクターの印象は大きく変わります。
衣装でキャラクターの職業や世界観を表現しよう
キャラクターを構成する要素において、服装が占める割合は物理的に大きいです。
キャラクターの服装や身なりも、そのキャラクターの生きる世界観や時代背景等が大きく反映される重要な要素です。
着こなしにはキャラクターの性格も影響しますので、合わせて決定しましょう。
リボンやスカート、上着の裾のボリュームを強調させたり、髪型同様全身のシルエットに注目するとより効果的です。
小物や持ち物で、よりそのキャラクターらしく!
小物や持ち物を追加することで、より詳細にキャラクター性を表現できます。
戦うキャラクターであれば武器を持っていたり、学生であればキャラクターの性格に合わせた装飾品がついたスクールバッグを持っていたりすることで、キャラクター設定のより強固な裏付けになります。
細かいディティールにこだわることで、キャラクターのビジュアルがより一目で見て分かりやすくなります!
キャラクターに合ったテーマカラーを三色で選ぼう
配色は最終的なキャラクターの雰囲気や印象を決める大事な要素です。
沢山の色を盛り込むと色の扱いや組み合わせを考えるのが難しくなるので、まずは2~
3色で構成すると分かりやすいです。
色が与える印象も考えて、まずはメインカラーとサブカラー、そしてアクセントとなるポイントカラーを決めていきましょう。
- メインカラー…メインとなる色。キャラクターの性格や印象を最も反映するイメージを持ったカラーを推奨します。
- サブカラー…メインカラーを補助し、キャラクターをより印象付ける手助けのための色。メインカラーとの調和も加味して選びましょう。
- アクセントカラー…メインカラー・サブカラーとは異なる色相や彩度の、全体を引き締めるための色。キャラクターデザインの中でも目立たせたいところ等にピンポイントで配色します。
上記の図のキャラクターは、天使というテーマから純粋さや赤ちゃんをモチーフにキャラクターデザインしたため、子どものおもちゃのイメージで、パステルカラーをメインに配色しました。
天使は少し無機質なイメージもあるため、冷たい印象のアイスブルーがメインカラーです。
全く同じキャラクターデザインでも、配色が変わると大きく印象が変わります。
ゲームの2Pカラーがわかりやすい例です。
- クールなイメージのキャラクター→寒色メイン
- 元気なイメージのキャラクター→ビタミンカラーメイン 等
他にも、配色の組み合わせにより様々な心理効果を狙えます。
より詳細な配色のコツについてはこちらをご覧ください。
最後に色の明暗、彩度も見つつ調整します。
①メインカラーのアイスブルーの更に明度を上げたカラーで毛先に色を入れ、キャラクターの特徴となる鳥をイメージしたヘアスタイルが目立つように調整しました。
②天使の輪は髪を結んでいるリボンや靴下のボーダー柄に使用したイエローより少し色を濃くして差別化、プラスチック製をイメージしてハイライトを入れました。
③ワンピースとルーズソックスについても明度差をつけ、ワンピースの裾にはサブカラーのイエローでラインを入れています。
目に関しても、キャラクターデザインの印象を変える重要なパーツです。
顔を華やかなカラーで配色することで、キャラクターの印象も明るくなります。
目は決定した3色のうち主にアクセントカラーを用いて、胸ポケットのハートのパーツよりも更に彩度をアップし、メインカラーとサブカラーも少し使ってより目立つように複雑に配色しました。
デザインのコツを押さえて、魅力あふれるキャラクターを作ろう!
キャラクターデザインをしたいけれど何から始めればいいのか分からなかったという方も、筋道を立てて少しずつキャラクターの要素を構成することで、魅力あふれるオリジナルキャラクターをデザインできます。
1人のキャラクターをデザインすると、同じ世界観で別のキャラクターのデザインもしてみたくなりますね。
登場人物が増えると、物語もより膨らみます。
それでもアイデアが上手くまとまらない場合や、設定は思いついても作画の段階でつまづいてしまう場合は、ぜひスクールへの入校も検討してみてください。
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